数年ぶりにロードバイクを乗り換え、ディスクロードの世界に足を踏み入れたぼく。
リムブレーキ時代に築き上げてきた「資産」はすべてチャラになってしまった。
そこそこ速いマシーンに乗り換えたとはいえ、ついてきたホイールはいわゆる鉄下駄。
リムブレーキ時代にも足元をグレードアップしてきた身としては、このまま乗り続けるのはやだ!
なんなら納車のときから速そうなホイールを履いていてほしい!
てなわけで、ニューマシーンにもちょっぴりいいホイールを履いてもらうことにした。
わけあって到着が遅れてしまったけど、念願の1セットがようやく届いた。
ぼくが選んだホイールを紹介しながら、晴れて完成したニューマシーンを改めて自慢させていただこうと思います。
鉄下駄はやだ!
FILANTE SLに心を決める。
この水面下でひそかにニューホイールの導入もすでに企んでいた。
まあ、そりゃそうだよね😂
まずはどれかひとつ。
FILANTEに似合うかっこいいホイールを履かせてあげよう。
そんな思いでぼくが導入したのは、FulcrumのWIND 42だった。
あまりにも選択肢が多すぎるわりには、あっさり決まったかな。
好きなブランドから
最新の技術が投入された
いい感じのリムハイトのホイールが
現実的な価格で売りに出ていたから。
ROVAL / CADEXをはじめとしたバイクブランドにくっついてるやつは、ブランドの垣根を越えて選ばれているのも事実なんだけど、やっぱりWilierのイメージにはそぐわないし、
そんなWilierにはMICHEがついてくれたけど、これはなんだか決め手に欠けたし、
ENVEやZIPPなんかもものすごく人気だけど、そもそもロゴが好きじゃないし、
近年勢力を拡大している中華ブランドもいいモノはあるんだろうけど、まったく惹かれないし…
というわけで、今回のお買い物はめずらしく対抗馬不在。
己の直感を信じて、FILANTEの納車と同時にいつものチャリ屋さんにオーダーをかけた。
名門フルクラムの新しいやつ
2023年10月頃。

フルクラムは上位グレードのホイールを刷新した。
ぼくの相棒となるWINDもまたフラッグシップであるSPEEDシリーズの流れを汲み、伝統の「車輪屋」の新時代を象徴するモデルの仲間入りを果たした。
兄貴分であるカンパニョーロが新作を続々と登場させる一方で、これといった代表作もなくワールドツアーからも姿を消したフルクラムはどこか勢いを失ったかのように見えた。
しかし、ここ数年で見事に息を吹き返し、全方位でイケてるホイールを世に送り出していた(!!)

新技術が惜しみなく投入された戦闘ホイールのSPEED
オールロード向けに最適化された2ウェイブリムのSHARQ
ロードバイク向けラインナップは、この二大巨頭を携えて盤石のものとしている。
SPEED(かつてのRacing SPEED)もWINDも、リム時代からそういうモデルがあるということは知っていたけど、レーゼロからフルクラムの扉を開いたぼくにとってはちょっぴり遠い存在だった。
いわゆる「きしめんスポーク」が好きだったしね。
リムブレーキ最後の1セットとしてカーボンホイールを選んだときもRacing ZERO CarbonかBORA WTOの2択で悩んでたな。
もっとも、それは見た目の好みで絞った候補だったけど。

ディスクになってからもどうせ買わないものだと思ってスルーしてた。
なんだか垢抜けなかったから。
ところがどっこい。
モデルチェンジを果たし、「新型」となったホイールたちは、価格はさておきどれもぼくに刺さりまくった。
((これ、絶対FILANTEに似合うじゃん🤤))
ワイドリム化に空力性能の向上。
目まぐるしいスピードで進化を続けるホイール界のトレンドをうまく取り入れながら、シンプルに美しく。
名門の自信作をひと目見て、ぼくはこれだと確信した。
信頼できる「車輪屋」の中堅グレード
ぼくが選んだホイールは、リムハイト42mmのWIND 42
さらっと紹介しておくと…
基本スペック


WINDはSPEEDの下位グレードといったところ。
見た目はほぼ同じだけど、リムに使うカーボンの質・スポーク形状・ベアリングなどで差がついている。

価格差もえげつない…
仕様詳細
リムハイト
リムハイトは選べる2種類。

大前提として、今回はエアロロードであるFILANTEに似合うホイールを入れたかった。
それに、ゴリゴリに走ることをやめちゃった今、登れることを売りにしているホイールはもう必要ない。
平坦の巡行を手助けしてくれて、ぼくの脚のなさをごまかしてくれるものが欲しいんだ。笑
そんな思いで、ある程度リム高のあるモデルを探していた。
とはいえ、でも高すぎるリムハイトはぼくの望むところではない。
よりマルチに使えて かつ かっこいい。
このバランスがうまく取れるリムの高さは…
という問いに対して、おぼろげながら浮かんできたんです。40mmから50mmという数字が。
こうして、ぼくはWIND 42をチョイスした。
リム幅
リム幅はインナーで23mm(!!)

BORA WTOの19mmですら驚いていたのに、このリム幅が新しいスタンダードになりつつあるそうで。。
28Cのタイヤに最適化されたこのリム幅。
これまで履いてきたものとは比にならなくくらいブリッとしている。

「今ホイールを選ぶなら、23mm以上のほうがいい」
そんな見解をどこかで見かけたので、ワイドリム化のトレンドは抑えられたかな。笑
リム
下位グレードとはいえ、リム面にもいろんな技術が投入されている。
リムそのものの作りはカーボンファイバーの配合と積層を見直した結果、前作から100g軽量化させることに成功した。
リムハイトは高くなり、リム幅が広がっているにもかかわらずである。
その他にも…
Momagアッセンブルテクノロジー
ニップルを磁石にくっつけちゃうことで、ニップルホールを開けることなくスポークを組み上げることができるシステム。これのおかげでリムテープが不要になる◎
C-LUX™ テクノロジー
リムに施された艶やかな加工のこと。Campagnolo-Luxualyの略。
最近のカンパの上位グレードのホイールがつやつやしているのは、この加工のおかげ。
WIND 42はリムの内側にだけC-LUXが施されていて、タイヤの嵌め合わせが向上している。らしい。
2-WAY FIT
これはもうおなじみのやつ。
クリンチャーもチューブレスもいける。ここにきてもなおチューブドをやめるつもりはないけど。
これまでのモデルに採用されてきた技術が惜しみなく投入されている。

あとはリム面に施された”FULCRUM”のレーザー刻印。
最近流行りの白色デカデカロゴマークではなく、さりげなくおしゃれな感じがマジでかっこいい。
ハブ
ハブ形状はこんな感じ。


ここもまたSPEEDとは差がつけられている部分で、WINDはたぶんさらに下位グレードのホイールと共通のハブになっている。
ベアリング機構をカップ&コーンにしてもらえなかったことがちょっぴり残念だけど、シールドベアリングだからといってどうなるのかはよく知らん。笑
何かあったらゴソッと交換できるという利点があるからよしとしましょう。
スポーク
スポークはストレートプル方式、TWO to ONEシステムで組み上げられている。
スポーク本数は24本だし、Racing ZEROのように3本1セットのような組み方ではないけど、2:1の体系は健在。
ちなみに、フリーホイールのラチェットの歯数は36枚に増量している。
.
.
.
ざっとこんな感じ。
いい感じのリムハイトで、
重すぎない重量で、
よく走る。
そしてかっこいい!
そんなホイールが好きなメーカーから手の届く価格帯で売りに出ていたら、もうそれを買うしかないのである。
みんな、フルクラムはいいぞ。
そして、ぼくのもとにやってきたホイールはジャパンリミテッドの特別色。
この色が出たことこそがWIND 42を選んだ最大の決め手!

伝統の赤色デカール…
やっぱりフルクラムはこうでないと!

このちっちゃいデカールだけで印象はガラッと変わるし、何よりFILANTEのカラーにマッチしまくってる〇
狙いどおりだ!
ホイールを履き替えたことにより、FILANTEくんの重量は7.67kgとなりました。
ホビーライダーが駆る105(di2)のディスクロードとしては十分すぎる軽さ。
持ち上げた感じも走行時の軽快感も、鉄下駄とは比にならなかった…!
走ってみた感じ
これだけべた褒めしてきたわけだけど、今回のホイールはミドルクラスのグレード。
かつて一世を風靡したレーゼロやリムブレーキ用ホイールの集大成ともいえるBORA WTOなど、これまで履いてきたものたちのような「華」があるわけではない。
事実、WINDを履いている人ってあまり見かけないしね。

そんなホイールだけど、鉄下駄から乗り換えると感動する点は非常に多くあった。
全体的なフィーリング
このホイールがFILANTE SLが出せるパフォーマンスを数段引き上げた。
平坦ではスイーッとスピードが上がっていって、楽にそれを維持できて、登りもそれなりに軽快。
バイク自体がよく走るようになったとはいえ、鉄下駄のときには拭いきれなかったもっさり感を見事に取り払ってくれた。
スポークもカッチカチのものではないから、乗り味がやさしいところもグッドだね。
あと、高いリムハイトが奏でる風を切る音がなんとも気持ちいい〇
足元が変わった第一印象は、なんでもそつなくこなしてくれる優等生。そんな感じ。
これ1本でぼくのライドは十二分にカバーしてくれることだろう。
特によかったところ
平坦の巡航
いちばん感動したのは平地での巡航かな。
低速からの立ち上がりこそめちゃくちゃいいとは言えないんだけど、高い速度域に向かって素直にスピードが上がっていく。
FILANTEの真骨頂である高速域でのもう一押し、さらにはそこからの安定感も強いものとなった。
快適なクルージングを一段上のスピードレンジで。
これを実現してくれたことだけでも満足度は非常に高い〇
シールドベアリングだしUSBも採用されなかったけど、それでも回転の良さは健在。
これなら全然OKだ。
絶対的なレスポンスの良さはないけれど、ヌメッと速い。
これまで履いてきたホイールとは毛色が違うんだけど、大した強度も出せなくなったぼくにはこのくらいが心地よい。のかも。
随所で感じられる安定感
リム形状が見直されたことによるメリットも随所に現れている。
思いもよらぬ副産物がついてきた点も感動したポイントの一つだな。
まずは直進時の安定性、これはほんとにピカイチ。
横風をいなしながらビシッと前に進に進んでくれる👍
リムの背がやや高いホイールだけど、横風耐性は想像以上。
あとはダウンヒル時のコーナリング。
それなりにいいタイヤを入れていることももちろんなんだけど、そのタイヤの性能を最大限に生かすことができるくらいのワイドリムになっていることも大きな要因になっているそうな。
接地感がほんとに強い。
安定感でいうと、オン・ザ・レールだと感動していたBORA WTOのさらに上を行く印象だね。
.
.
.
いいお買い物ができたなぁ
こうして、ぼくのニューマシーンがようやく完成した。

かっこいいなぁ…
上位グレードのホイールと比べると控えめなスペックだし、目立った特徴もないといえばない。
見る人によっては中途半端なチョイスをしたなと思うだろう。
けれども、ぼく的には大満足◎
・当然のように平地での巡航が楽なこと
・ワイドリムがあらゆるシーンで「安定感」を作り出していること
・意外と登りもそれなりにこなせること
・そして限定モデルという希少性
このあたりがWIND 42(ジャパンリミテッド)のグッドポイント。
今回もまたいいお買い物ができた。
バチバチのかっこよさと申し分ない速さを手にしたFILANTEくん。
あとは錆びついたエンジンをどれだけ磨き直せるかだね。笑
これからのライドが楽しみだ🤤
コメント