Wilier FILANTE SL( 2025.2 – )
念願のディスクロードがやってきた!
長きに渡るGTR SLとの歩みに終止符を打ち、新しい相棒として迎え入れたのはWilierのFILANTE SL
まさに運命的な出会いだった。
愛車選びにおいては毎回そんなことを言っているような気がするけど、今回もまたとないチャンスをものにして、この上ない1台をゲットすることができた。
出会いから今日に至るまでの過程を振り返りながら、ぼくの新しい相棒を自慢紹介させていただきましょう。
最新のバイクに乗り換えたいなぁ。
いつからだろう。
ぼくの中で「乗り換え」の機運が高まりだしたのは。
正直な話、ディスクロードに乗り換えたい思いはずっと秘めていたし、乗り換えを考えるようになったきっかけもいくつかあった。
現代のバイク、軽快すぎ
まずひとつ目は、新しいバイクを体感してGTRとの運動性能の差を見せつけられたこと。
最新のバイクってこんなにもよく走るのか。。
そんなことを思い知らされる機会に幾度となく直面した。

主に試乗会なんだけどね。
自分のポジションも出ていない試乗車で、GTR SLよりも圧倒的に軽快な走りができたことは正直ショックだったな。
見た目は大差ないロードバイクだけど、時の流れとともに確実に進化している。
この現実を受け入れることに時間は要しなかった。
現代のバイク、いろいろ変わりすぎ
最近のロードバイクって言ったってブレーキシステムが変わっただけでしょ。
最初はそんな程度にしか思ってなかったんだけど、それだけにとどまっているはずもなく…
周辺パーツも当然のように日々アップデートされていた。
変速機でいうとシマノの105ですら電動シフトが採用されているし、外観に目を向けるとワイヤーの内装化なんていうのも今やスタンダード。
今どきのパーツを体験したい!
洗練されたデザインのマシンを駆りたい!
そんな思いが日に日に増していった。
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GTR SLに惚れ込んでいたのは嘘じゃないんだけど、時代に取り残されているのもまた事実。
ここらがちょうどいいタイミングだろう。
GTR SL号の後継機にふさわしいすばらしい1台を探そう。
こうして、実に8年ぶりとなる愛車選びがゆるやかに始まった。
愛車選び
今回、新しい自転車に求めた条件はずばり3つ
買える値段であること!(笑)
たいへん不本意だけど、1番目の条件に予算がきてしまった 。。
GTR SLからのアップグレードを前提にマシン選びをすると、もうフラッグシップしかない。
ミドルグレードの層がとてつもなく薄かった数年前まではそんな状況だった。
オーバー100万円が当たり前の世界。
((いや、自転車だよ?))
買える1台がないから、という思いからしばしの間ロードバイク市場を追いかけることをやめていたんだけど…
ここ最近になってフラッグシップの金型を下位グレードにも流用するというムーブが各メーカーで見られるようになった。
ワールドツアーで見るバイクと同じ形のものを、ちょっとお安いカーボンで。
手頃なバイクを渇望している層の購買欲を刺激するためなのか、はたまた莫大な開発費の回収のためなのか。
ぼくにはよくわからないことだけど、ミドルグレードの層が厚くなったタイミングで、(ちょっと無茶をすれば)現実的な価格に収まりそうなバイクが出そろってきた。
GTR SLより速いこと!
先代マシーンがそれなりにできる子だったことから、次期マシーンに対してもそれなりの戦闘力を求めたかった。
((GTRのほうがよかったじゃないか!))と思っちゃうことはあってはならないからね。
でも、よほどのことがない限りそうはならないということは何度か参加した試乗会で把握していた。
だからこの点に関してはあまり心配していなかった。
おそらく何を選んでも大丈夫なはずだから。
かっこいいこと!
そして何よりも大事なのが見た目。
愛車のかっこよさは、ホビーライダーにとって重要なモチベーションになる。
買える値段で、それなりに速くて、かっこいいと思うやつ。
それも写真映えする明るい色がいいな。
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ここまでくるとだいぶ候補が絞られていた。
PINARELLO F5

今でもひそかに憧れているブランドにもFILANTE SLに対抗しうるマシーンがいた。
それがこのF5
DOGMA Fの金型に東レのT700カーボンを使うことで価格を抑えた1台。
名前もかっこいいし、何よりシンプルかつラグジュアリーなカラーリングもぼくに刺さりまくった。
が、しかし。
いつの時代もピナレロは高値の花。
機械式105で836,000円というプライスがつけられていた。
大きく背伸びをしても手に入れられるのはこのグレードまでか~、というのが本音。
残念だけど、最終的には選外となった。
BMC SLR ONE

ALRをサブマシーンとして持っているぼくにとって、BMCもやっぱり外せない。
というわけで眺めていたのがこのバイク。
BMC然としたルックスに筋肉質なヘッド周り。
SLR01と同じ形状が織りなす速そうなオーラがすごく魅力的だった。
さらにゴージャスな赤色がぼくの目をくらませた。
が、しかし

派手なカラーはたぶんすぐ飽きるよ
というド直球正論により選外となった。
Wilier FILANTE SL

我らがウィリエールからも待望の1台がラインアップに加わった。
・第一線で活躍しているFILANTE SLRと同じ形
・一見シンプルでありながら、近くで見るとキラキラ光って見える上質なカラーリング
めちゃめちゃいいじゃん。
次はこれにしよう。この時点で心は決まりかけていたんだけど…
2024年モデルから2025年モデルに切り替わるタイミングで、限定カラーが登場するという噂を耳にした。

それがこのカラーだった。
まぶしいばかりのパールホワイトにあざやかなレッド。
標準カラーもいいけど、こんな色があったらなあ…
そんなぼんやり思い描いていた理想のはるか上をいくカラーリングにすべてを持っていかれた。
これはもう運命だ。ぼくはこの子を待ってたんだ。
こうなったら他の候補なんてなかったようなもの。
受注開始のアナウンスとともに、ぼくはチャリ屋に駆け込んだ。
プロバイクのDNAを受け継ぐレースバイク
ここで、ウィリエールの上位グレードについてちょっとだけ触れておくとこんな感じ。

各モデルの頂点としてSLRというグレードが君臨し、プロスペックの性能を持ちながら価格を抑えたセカンドグレードとしてSLというグレードが設定されている。
TTバイクを除くと、軽量バイク / エアロロード / エンデュランスロード / グラベルレーシングバイク
といった4つのモデルでこのような構成がとられていて、2025年モデルからようやくそのすべてのモデルでSLグレードを選択できるようになった。売れる見込みの薄いGRANTURISMO SLはあえなく国内未展開になっちゃったけど。
その中からぼくはフィランテを選んだというわけ。
次の1台はピュアレーシングバイクにしたい。
なんだかんだでそんな思いが強かったからね。
登れる軽いやつ(ZERO SL)でもなく、近年流行りのマルチに活躍できるオールロード(RAVE SL)でもない。
どれか1台だけを選ぶなら…
この問いに対するぼくにとっての最適解は、カリカリの戦闘マシーンだった。
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というわけで、ここからようやく愛車の紹介!
2週間しか受注期間がなかった超レアキャラであること
そして実は国内ではだれよりも早くこのカラーのマシーンを持っていたこと
自慢したいことはたくさんあるんだけど、それは一旦置いておいて。
このマシーンの細部を見ていこう。
Wilier FILANTE SL

基本スペック
・フレームサイズ:Sサイズ
・フレーム重量:1,010g ± 5%
・フォーク重量:370g ± 5%
・カラー:ホワイト / レッド
フィランテといえば、かのマーク・カヴェンディッシュがツール・ド・フランスで35個目のステージ優勝を飾り、史上最多ステージ優勝という金字塔を打ち立てたときに搭乗していたことでちょっぴり有名になったバイクだよね。
そんな戦闘マシーンを、カーボン素材のグレードを調整することで脚にもお財布にも庶民に優しい味付けにしたのがFILANTE SL
フレーム重量はわずかに増えたものの、それでもFILANTE SLRとの差はわずか150g
ホビーライダーにとってはこんなものは誤差である。
そんなことよりも第一線でバリバリ走るためのエッセンスをそっくりそのまま体験できるというところにこのバイクの魅力がある。
仕様

メインコンポーネントはDi2の仲間入りを果たしたShimano 105でアッセンブル。

クランクセットだけはULTEGRAにしちゃったけどね。笑


クランクは50-34
スプロケットの歯数は11-34
インナーローのギア比は驚異の1:1(!!)
ぼくにとっては 初 となる電動コンポーネント。
早くもその優秀さに驚かされている。
ホイールはFulcrumのWIND42をオーダーしたんだけど…

なかなか手元に来ないのでまずは鉄下駄でがんばってる。
タイヤはBridgestoneのEXTENZAを履かせることに。

ここ最近はずーーーーーっとピレリだったし、

なんてことも言ってたけど、やっぱりジャパンブランドを応援したい!笑
モデルチェンジを果たし、めちゃくちゃかっこよくなったタイヤをまずは履き潰してみようと思います。
ハンドルバーはWilierのZ-BAR
一体型ハンドルである。

定価では160,000円(!!)くらいする代物なんだけど、アップグレードオプションのおかげで実質タダ。
見た目のスッキリ感よし、軽快感よし。
ハンドル周りがフルカーボンになることの効果は絶大だった。
一体型ハンドルは選んでよかったパーツのひとつだ。
サドルは先代から使用しているフィジークのいいやつを流用。

かれこれ4年目。3Dプリンタのサドルはいいぞ。マジで。
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っていうのがぼくのフィランテの初期構成。
この時点で完成度はかなり高く、ほぼ手を加える必要がないくらいの仕上がりだ。
コンポをアップグレードさせてみたり、軽さを追い求めてみたり…
やってみたいことはあるけど、(ホイールを履き替えられたら、)今後大きく変わることはないと思う。

組み合がった姿が美しすぎるあまり、眺めてはニヤニヤする日々が続いた。
納車からシェイクダウンまでに1か月以上もの時間を要した。笑
きっと、すごく速いんだろうな…。
ママチャリからクロスバイク。
クロスバイクから初めてのロードバイク。
初めてのロードバイクから2台目のロードバイク。

これまで相棒をグレードアップさせるたびにその違いに驚かされたし、感動してきた。
しかし、今回は「それなりにいいチャリ」から「それなりにいいチャリ」への乗り換え。
ぼくだって目が肥えてきたんだ。もう驚かないぞ。
そう意気込んで走り出したものの、ぼくの予想は見事に裏切られた。。。
漕ぎだしの軽さ
漕ぎだしの瞬間からこのバイクが持つポテンシャルの高さを感じずにはいられなかった。
踏めば踏むだけ素直に速度が伸びていく。
魔法のじゅうたんと言っちゃったら少し大げさかもしれないけど、ほんとにどういうわけかスイーッと伸びていく感じがするんだよね。不思議。
電動コンポ、めちゃめちゃいい…
これはDi2によるものなんだけど、変速が驚くほど気持ちいい。
今まで「紐」しか使ってこなかったぼくにとってワンタッチでスパスパ決まる変速はまさに革命だった。
スムーズにシフトチェンジをするための小細工なんてものも必要ない。
「105で十分」
パーツの選定にあたって自転車屋のおじさんが言っていたことの意味がよく分かった。
6800のULTEGRAよりも間違いなくいい。
シフトの電動化によって、自転車に乗る楽しさが倍増した。
前傾が深い!

先代マシーンとジオメトリを比較するとこんな感じ。
パッと見大差ないんだけど、いちばんの違いはヘッドチューブ長の差(11mm)だろう。
ヘッドチューブが短くなったことによって、これまで以上に深く前傾がとれるようになった〇
ひとたびハンドルを握った時の頭の高さがまるで違う。
これはエンデュランスロードでは実現しえなかったこと。
ずっとこの感じが欲しかったんだ。
攻めたポジションにニヤッとしてしまった。
高い巡航性能
カチッと上げた速度をキープするのも当然のことながら容易だった。
これがエアロ効果!…なのか?

今の自転車は一昔前の自転車と見比べると、正面からのシルエットは明らかにペラペラになっているし、ワイヤー類も内装化されている。
そのおかげか高い速度域での巡航も容易だし、ペダルを止めたときの速度の落ち込みもすごくゆるやか。
まだ鉄下駄であることを考えると、フレームの推進力のおかげと言わざるを得ない。
こういったところにもロードバイクの進化が如実に現れている。
いやぁ、最新のマシーンってすごい。
登りもいける!
踏めば踏むだけゴリゴリ進む。
その推進力は登り坂でも発揮してくれた。
重量は間違いなく増えているのに、まだ鉄下駄なのに、進んでくれる。
これなら全然闘えるぞ。
ぼくに合った乗り味
ほどよいカッチリ感。
GTR SLと比較すると硬いのは硬いんだけど、ちょっぴり似ているような。
初めて乗った時から初めての感じがしなかった。
どの局面においてもいい仕事をしてくれそうだ。
これからの活躍に期待だね〇
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なんてうすーーーい感想をつらつらと書き連ねてしまったけど、肝心のぼくがどん底を突き破る勢いで衰えてしまったせいでこのマシーンの良さを全然引き出せていない。笑
ツール・ド・ふくい以来、3ヵ月以上自転車から離れてたもんで…
ちゃんと乗れる体で走ったら、きっとすごく速いんだろうなぁ。
というのが今のところのインプレッション。
強くなろう。。。
新章、スタート
あまりにもできすぎた出会いとなってしまった。
チャンスを逃さず、理想の1台を手に入れられた喜びはひとしおである。
大して乗りもしないのにロードバイクをひとりで3台も抱え込むことなんて考えられなかったから、今回は増車ではなく入れ替えをすることにした。
ミドルグレードカーボンロードといった同じキャラクターの自転車を2つ持つ必要はないかな。
という思いでGTR SLを放出したんだけど、この選択はおそらく正しい。
もうあの子に戻る必要なんてないんだ。
先代に勝る活躍を見せてくれそうなオーラをすでに放ちまくっているFILANTEくん。
この子がGTRに代わって豊かな自転車生活をゴリゴリ牽引してくれることだろう。

新しくやってきた相棒ともまたすばらしい思い出を作っていこう。
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