【念願の】BORA WTO 33【カーボンホイール】

機材のはなし

2016年、社会人1年目にやってきたぼくの相棒wilier GTR
これまでオフシーズンに入るたびシーズンアップデートと銘打ってSUPER GTのレース車両よろしく細部に改良を重ねてきた。

2017年なし
2018年インナーワイヤー全Dura-ace化
2019年バーテープ交換 サドルアップグレード(fi’zi:k ANTARES vsEVO.)
2020年バーテープ交換

と思って振り返ってみたらほぼ消耗品を変えただけやった。笑
納車された状態からすでに完成されていた。よく言えばそうだろう。

しかし、この子はもっと速くなれるし、もっとかっこよくなれるんだ。
相棒となってから5年目にしてようやく大々的なアップグレード!
速さも見た目も大きく変わる新しいホイールを導入した。

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導入のきっかけ

なぜ、新しいホイールを投入しようと思ったのか、それはスキンサイドのタイヤを履きたかったから。
もう一度申し上げます。
スキンサイドのタイヤを履きたかったからであります。

キャンプ用品を揃え始めてから「サンドカラー」がマイブームになっているぼく。

そのときの流れでバーテープを茶色に変えてみたらなんとまあGTRくんに似合うこと。
赤と黒以外の色はバイクに取り込まないとしていたぼくの信念はいとも簡単に打ち砕かれた。
そして、同時に思った。
((この色のバーテープが似合うならスキンサイドのタイヤも絶対似合うよな…🤔?))

ふつふつと沸き始めたスキンサイドタイヤ入れたい欲。
その思いは日に日に強くなっていった。

でも、タイヤというものは走りそのものに対して少なからず影響を与えるパーツ。
好みのメーカーのものを履きたい。

((あーあ、大好きなピレリからスキンサイドが出ればなあ。))

って思ってたらほんとに出た。

P ZERO VERO CLASSIC

茶色の色味も完全に好みのやつ。こりゃ買わない手はない。

というわけでいつもの自転車屋さんに取り寄せていただいて、購入。

はやく履かせたい…

けど、そのまま手持ちのホイールに投入!
というわけにはいかなかった。

スキンサイドを履くならば、「黒いホイール」と組み合わせたい。
でないと足元は引き締まらない。

茶色ウォールタイヤに似合うホイールを!

そんな不純な動機から新しいホイール選びは始まった。

なんで BORA WTO ??

新しいホイールを投入するにあたって、

  • どうせ買うなら今持ってるものよりもいいやつを!
  • 見た目はおとなしいほうがいい!
  • 最新の機材を投入したい!

という思いがあった。

これまでメインとして使っていたホイールはFULCRUM RACING ZERO
今や懐かしいc15、ピナレロ時代からぼくとチャリンコ人生をともにしてきた戦友だ。

新しいホイールの候補として考えていたメーカーはフルクラムかカンパニョーロ。
イタリアンバイクのGTRくんのパーツはイタリアンブランドで揃えたい。
っていう小さなこだわり(コンポがシマノなのはスルーで)と比較的手に入れやすいっていう理由から。
あとはリアホイールのスポークパターンが好き。

  • FULCRUM RACING ZERO carbonレーゼロカーボン
  • FULCRUM RACING ZERO NITEレーゼロナイト
    CAMPAGNOLO BORA ONE 35
  • COMPAGNOLO BORA WTO 33
  • CAMPAGNOLO SHAMAL MILLE

ザッとこれだけのホイールが候補として思いついた。

黒けりゃなんでもいいと一瞬思ったけど、今持ってるレーゼロと似たようなホイールを買うのは面白くない。

というわけで、リムが黒くなっただけ(実際はそうじゃないよ)レーゼロナイト・シャマルミレは却下。

選択肢に残ったのはカーボンホイールたち。

BORA ONE 35 はどうだろう?

海外通販では随分と手ごろな価格帯となり、すっかりアップグレードの代名詞となったBORA ONE。
初めてのカーボンホイールとして投入する人は少なくない。
35mmのリムハイトで1,405g。
運用はクリンチャータイヤやからロングライドにも適役。

まるで非の打ちどころがないホイール。
それがゆえに「もうみんな持ってる」っていうのが欠点かな?
あとはオールドスタイルのあのデカール。
ダークラベルになっても主張が強い。

ってなわけでぼくの中では選外。

残る候補はレーゼロカーボン or BORA WTO

アルミのレーゼロを持つ者としてはカーボンモデルとの違いを比較してみたいところではあった。
カーボンリムにアルミスポークというありそうでない組み合わせ。
前後ともに30mmに揃えられたリムハイト。
そして恐ろしいくらいの軽さ(前後で1,340g)。

これ1本ですべてをこなせることは明白。
よし、これにしよう。
心が決まりかけた頃に新しい選択肢が舞い込んできた。

それが BORA WTO 33

CAMPAGNOLOはBORAファミリーの最新作。
リムハイト33mmが出るまでは77mm(フロントのみ)/60mm/45mmという3種類のラインナップだった。

((そこまで深いリムを入れるつもりはないんよな~))
((BORA ONEみたいに35mm程度のリムハイトで出んのかな~))

なんて思っていたら出た。またまた願いが通じた。

絶妙なリムハイトで重量は前後で1,395g。
c19のワイドリムにしてこの軽さであれば上出来だ。
レーゼロカーボンには劣るけど、それでも軽い。
リムハイトが高い分、巡航性能はこっちのが高いのだろう。微々たる差やろうけど。
デカールのデザインも一新してぼってりしたデザインじゃなくなった!!

ぼくが今買うべきホイールはこれなんだ。これしかないんだ。

あこがれのBORAがやってきた!

買うと決めたら善は急げ。
タナショー・ノウエのニューフレームに後押しされ、オフシーズンを待たずして投入を決意。
「反対はせんけど、賛成もせんよ?好きにしたら?」
と半ばあきれ気味の妻をよそに勢いよく購入!
何かとデカいお買い物が続いていて、そこに紛れ込ませることができたから実質0円なのだ!!

首を長くして待つこと数週間、あこがれのカーボンホイールがやってきた。

ホイールバッグ付きなのが地味にうれしい。

インナーリムの幅は19mm。
c15のレーゼロからc17をすっ飛ばして一気にc19へ。
持つだけでわかるその太さ。
レーゼロのブレーキセッティングのままBORA WTOを装着しようとしてもシューのクリアランスがない😂
リム内面の処理も非常に丁寧なのがいいね◎
当然、リムテープは不要。

前後のハブの形状はエアロなものに。

今までのBORAシリーズとは異なる形。
リム・スポーク・ハブそれぞれの部分で空力効果が追及されている。
スピードセンサーがつけやすくなったね!笑

ブレーキシューは赤色に衣替え。

数か月間眠っていたP ZEROを履かせて、GTRくんに装着!
こんな感じになりました!!

ん~、かっこいい。
思い描いていたとおりの姿だ。
スキンサイドもよく似合っとる🤗
ラジアル組のフロントホイールとG3組のリアホイール。
この組み合わせが美しいんだ。
デカールの主張がかなりおとなしめなのが好印象。断然ダークラベル派〇
足元が見違えるように引き締まった。

シマノコンポにカンパホイールという構成も今ではすっかり市民権を得たようだ。
「シマノにはフルクラム」という考えはもうひと昔前のものらしい。

このホイール、当然チューブレスタイヤにも対応。
PZEROが好きすぎるから当面の間はクリンチャーで運用するけど、いつかチューブレスも試せるといいな。

インプレッション

このホイールを投入してはや4か月。
600km以上の距離をともにした感想をば。

全体的なフィーリング

あくまでアルミのレーゼロとの比較になるけど、乗り心地はマイルド。
ガッチガチのスポークではないからね。
かといって剛性が損なわれている感じでもない。
BORA WTOファミリーの中ではいちばんローハイトな子ながらも万能性を持ち合わせた優等生
そんな印象。
乗ってみる前は、レーゼロと大して変わらんやろうと思っていたのが正直なところ。
しかし実際は、いかなるシーンにおいてもひとつもふたつも上の水準で仕事をこなしてくれていた。

シーンごとのフィーリング

漕ぎだし ★★★★☆

まあ軽い。
ステンレススポークやからカッチリしとる感はないものの、「ヌルヌル」と加速していく。
32,3km/h程度までならこのぼくでも楽に到達する。

平地巡航 ★★★★☆

BORA WTOの“WTO”とは Wind Tunnel Optimized風洞最適化 の頭文字をとったもの。
風洞実験により追及されたエアロダイナミクスは平地の巡航において大きなアドバンテージとなる。
数字で言うと、45km/hで巡航した時に非WTOのホイールと比較して7.5wの出力を低減できるとかできないとか。
そんな速度域の話は知らん。笑
でも、巡航速度の維持が楽になったのは確か。
ひとりで走っていても誰かの後ろについているかのような軽やかさがある。
c19というワイドリムのおかげか空力性能のおかげかは知らんけど、横風をも推進力に変えてくれる。
といっても大げさではない。
ペダルを止めた時の転がりも非常にいい〇

また、直進安定性もピカイチ。オン・ザ・レールのような安定感。
風に煽られることなくズバッとまっすぐなラインを描くように走る。

中高速域からの加速 ★★★★☆

35km/hを超えてからの加速ものびやか。
レーゼロならしんどくなり始める速度域からもうちょっと先のところまでスイーーッと伸びてくれる。
言っても 40km/h 手前やけどね。笑

登坂力 ★★★★★

軽いしよく回るホイールやから当然登る力もある。
ちょうど比較できるデータがあったから引っ張り出してみた。
レーゼロとBORA WTOでそれぞれおにゅう峠を福井県側から登った時のタイムは以下のとおり。

RACING ZERO 01:02:23
BORA WTO 33 57:54


Stravaのセグメントによると、15.71km 801mUP
同じコースで4分半もタイムが縮まりました!

なんて言ってもこれだけのタイム差があったらなんの参考にもならんね。笑
前にもどっかで言ったような気がするけど、ホビーライダーという生き物は強い強度で走れば走るほど速くなる生き物。
ホイールの差がこのタイムにもたらした影響はほんのわずかだろう。

とはいえ、緩斜面ではグイグイ進むし、急斜面では軽さと回転力を活かしてシャカシャカ回しながら登れる。

ブレーキング ★★★★☆

リムの表面はお馴染みの AC3(All Condition Carbon Control) 加工が施されている。
これが実にいい仕事をしている。

AC3加工のおかげで、あらゆる状況下でもカーボンリムの弱点である制動力をしっかりと確保。
ダウンヒル時のブレーキでも「カーボンって意外と止まるんやなあ」と思ったくらい。
アルミリムにも劣らないとまでいかなくても、それなりの制動力をは持ち合わせている。
フルウェットの路面も走らせてしまったんやけど、その時もブレーキの心配をする必要はなかった。

カーボンリムとは切っても切り離せない熱変形問題。
アルミリムよりも熱がこもりやすいカーボンリムは一歩間違うとすぐにリムが変形しちゃう。
でもまあ、これもこのホイールにおいてはそこまで気にする必要はなさそうかな?
よっぽど引きずったりしなければ大丈夫。知らんけど。

ただ、カーボン専用のブレーキシューの摩耗はほんとにはやい。ほんとにはやい。
山岳ライドなんてしようものなら目に見えて減っていく。
交換用シューがけっこう高いんだよねえ😂

左用・右用・右用・右用 っておい!笑

それでいて左右の数がそろってなかったりするし。笑

AC3のブレーキ面は制動時になかなかおっきな音がするのも特徴。
シュルルルルルルルルっていう音は個人的には好き。笑

リムブレーキで生きていくのです。

「ディスク化」の波が一気に押し寄せた昨今のロードバイク界。
フラッグシップモデルももうディスクロード主流になっとるし、ディスクブレーキ用のホイールしか作っていないメーカーだってある。
リムブレーキのロードバイクは近い将来、過去の遺物となってしまうのかもしれない。

そんな時期に入っているのに、あえてリムブレーキのホイールを買い足したのは、
「ぼくはまだまだリムブレーキで生きていくんだ!」と決めているから。

新しいフレーム、そりゃ欲しくないといえば嘘になるけど、GTRくんだってまだまだやれる。
大きなアップグレードを施したマイバイクとともに2021シーズンを全力で楽しむ所存であります。

BORA WTO 33

いいところ
・軽い
・よく転がる
・かっこいい
・天候を問わずブレーキがよく効く

よくないところ
・ブレーキシューの減りがとんでもなく早い。



コメント

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