夏の山奥ドライブ

ドライブの記録

チャリンコを漕いだ日の夕方、2か月ぶりに「あの子」をピカピカに。
梅雨の間はまともに走らせてあげることができなかったサンニーくん。
週1回エンジンに火を入れてあげてはいたけど、遠出は一切なし。

((久しぶりに一日中ドライブしながら写真を撮りまくるやつ、やりたいなぁ))

わざわざ暑さに悶えながら遠いところに行って写真を撮りまくって大汗をかくなんて…
と思って夏ドライブは敬遠しとった。
けど、やっぱり澄み切った夏空の中でサンニーくんのナイスな写真も撮りたい。

翌日の天気予報は晴れマーク🌞

よし、サンニーくんとアツアツな真夏のドライブに出かけよう!

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山奥へ、ズンズン

7月17日(日)

朝8時、出発!
今日の行程は200kmほど。
あまり遠いところに行くつもりはないけど、ずっと行ってみたかったところがあるんだ。
いつものようにキーを捻り、サンニーくんを始動。
暖機もほどほどに檻(車庫)から解き放った。

向かうは岐阜県。
順調に流れに乗り、福井県を脱出。県境をまたぐのはいつぶりだろう…
滋賀県に入って国道8号線から国道303号線に乗り換える。
今日のドライブはめずらしくあゆみちゃんも参戦。

ぼく
ぼく

今日も緑を楽しみに行くよ!

って言ったらホイホイついてきた。笑 
好きな音楽をかけて、他愛もない会話を楽しみながらクルマを走らせる。
黙々と漕ぎ続けるチャリンコとは大きな違いだね。

金居原を通過し、八草トンネルを抜け滋賀と岐阜の県境へ。
深い緑の中に通されたグリーンライン、窓から入ってくる心地よい風…
なんとも心地の良い朝だ。

なんて言っていたのは序盤だけ。
次第に日が昇ってくるとUVノンカットのガラスからお日さまの光がさんさんと降り注いできた。

暑さにやられる前にいったん休憩しておこう。
ちょうどタイミングよく現れた道の駅で最初のピットストップ。

洗いたてのピカピカボデー✨

道の駅「夜叉が池夜叉ヶ池の里さかうち」

山と川に囲まれた自然豊かな道の駅は、朝早くからたくさんのライダーでにぎわっていた。

ろくに朝ごはんも食べずに家を飛び出したもんやからお腹がすいてしょうがないぼくたち。
ここで腹ごしらえをしておくことに。
甘々なコーヒー牛乳とおばあちゃんの手作り(?)甘々なヤングドーナツ風ドーナツでね🥛🍩
ちっちゃな頃夢見たヤングドーナツ食べ放題。
まさかこの日この場所で叶うことになるとは。3分の1ほどでギブアップやったけど。
(ずっしりのドーナツは全部食べるのに2人がかりで1週間かかった。笑)

お腹が膨れたところでピットアウト。

横山ダムの脇を抜け国道303号線に別れを告げる。
今日のメインイベントがいよいよ幕を開ける。

日本最大級のあのダムへ

ここから先は揖斐川にそって国道417号線を北に突き進む。
1.5-2車線ほどのやや狭路が続くワインディングロード。
鋭角なコーナーとたくさんのトンネルを抜けた先にあるのがそう、徳山ダムだ。

徳山ダム

濃尾平野を流れる木曽三川をせき止めて作られた多目的ダム。
①洪水調整 ②正常な流水機能の維持 ③新規利水 ④発電 と複数の目的をあわせ持っている。

総貯水量日本一のマンモスダム。
一目見ておかねばと思いながらも一旦スルー。
べちょべちょのトンネルの中でサンニーくんが水を跳ね上げる音を聞きながら号泣しとったらダムの入口をうっかり見落としちゃった。笑

帰りにもう一度通る道やからとりあえず先へ進む。
憎きトンネル区間を抜けた先のダム湖沿いの道に進入。

大きな大きな徳山湖を右手に見ながら落石の多い狭路を慎重に進んでいく。

数キロ走った先で見つけたシッ谷の大タル
この辺の言葉で滝の大きさほどではない中くらい滝のことをタルと呼んでたらしい。
タキほどではないけどタルにしてはでっかいから大タルなのかね。

落差自体は大きくないけど、近くで見る水流はド迫力。
天然のミストシャワーが降り注いどって涼しい〇
マイナスイオンをこれでもかというくらい一身に浴びた。

ここを過ぎればこの狭い狭い道の終点はすぐそこ。

ほどなくしてドン突きに到達。
手に汗握るスリリングな石ころロードやった💧

たどり着いたところは六社神社跡宮展望台
東屋がひっそりとたたずむだけの静かな場所。
サンニーくんのエンジンを切ると木々が風になびく音だけがかすかに聞こえるくらいだった。

ここが今日来たかったポイントのひとつ。

なんでここに来たかったのか。
そう、それは、

ここから見える景色がきれいだから。
さわやかに広がった夏空の濃い青色、エメラルドグリーンの湖水、木々や遠くに見える山の緑色。

すばらしい。それ以外の言葉が出てこない。

日本一の貯水量を誇る人造湖の徳山湖。
その総貯水量はおよそ6億6,000㎥(!!)
浜名湖ふたつ分。そう言われてもあまりピンとこんけど、圧倒的なスケール。
この場所から見えるのは徳山湖のほんの一部。
これだけでもデカすぎるくらいだ。

角度を変えてもう一枚。

かっこいい写真を撮ってもらえてサンニーくんもご満悦(?)

あまりメジャーなところではないけど、数分おきライダーがやってくる。
風景も写真も存分に楽しんだので邪魔にならないように忍び足で退散。

え、ここでダムカレー食べれるの?

来た道を引き返し、道中通りかかった徳山会館で一服することに。

手前の芝生は徳山湖のかたちになっている
ベンチは徳山村にあった集落の位置関係を表しているそうな
徳山会館

ダム事業で廃村になってしまった村の歴史や文化を後世に伝えるために作られた施設

ダム湖に沈んでしまった村の当時を振り返る資料が写真や映像などなど様々な形で残されていた。
自分のふるさとが湖底に沈んでしまう。
想像したこともないことやけど、ダム建設とは切っても切り離せない問題である。
実際に住んでいた人の思いや生活の様子を目の当たりにすることでちょっと心に来るものがあった。

ダムを見るよりも先に大事な社会勉強ができた。
資料館を出ようとしたとき、受付のおじさんに呼び止められた。

おじさん
おじさん

あのスカイラインのオーナーさんですか?
今どきフルノーマルってめずらしいですよねぇ
っていうかあのクルマでよく「あそこ」通ったねぇ

どうやらシッ谷の大タルの方面に行くところも、徳山会館の駐車場に入ってくるところもばっちり見ていたよう。
クルマ好きなおじさんらしく、やや興奮気味のご様子。

おじさん
おじさん

この時代の日産車はね、足回りがホントによかったの!だから走ってて楽しいんだよぉ。道路に吸い付くように曲がるあの感じ、最高にいいでしょ??純正っていうのもまたいいんだよね!!大事に乗らないといけないよ~~

などということを「あゆみちゃんに」力説するおじさん。笑
90年代の日産車はほんとにいいんだゾ。

このおじさん、風景写真家としての腕前もタダモノではなく、徳山ダムの周りの四季折々の大自然を芸術品のように切り取っていた。
そんなこともあってこの辺のことにはすごく詳しい。
ここぞとばかりにクルマの撮影ポイントをお伺いしてお別れ。
いい話がたくさん聞けた◎

思いがけずいろんなお話で盛り上がった。
時計を見るとお昼時だ。地味におなかが空いたね。
どこかに食べるところは…
と思っていたらちょうどこの施設にレストランがあった!

というわけで、ランチタイム。
え、ダムカレーあるじゃん!
ダムに来たらやっぱりダムカレーでしょ。(ダムはまだ見てないけど)

数量限定のダムカレー。
自分でルーを「放流」するタイプのダムカレー。
ぼくが頼んだ数分後に売り切れになってたダムカレー。

やさしい味がしておいしかった。
衣がサクサクのからあげも乗ってきてからあげ大好きくん、歓喜。
人生で初めて食べたダムカレーやったけど、人生でいちばんおいしかった。

ごちそうさまでしたっ!!

サンニーくん、険道をゆく。

いいタイミングで現れたレストランでお腹いっぱいになったぼくたちは次の目的地へ向かうことに。
このあたりにもうひとつ見ておきたいところがあった。
なんなら次に行くところがほんとの目的地。
張り切っていこう!

先のおじさんに教えてもらった撮影スポットを巡りながら進んでいく。(クルマ止められないとこばっかじゃん!!)
徳山湖に背を向け、小高い山の中に突入。
木々がうっそうと生い茂る薄暗い道は次第に狭くなっていった。
昼間なのになんかちょっと不気味。

現在地は県道270号線。
国道417号線と国道157号線をつなぐ重要な県道だ。
そこそこの交通量はあるものの、普段こんな道を通らないぼくからしたら立派な険道。
またしても落石に怯えながら先の見えないコーナーをひとつひとつクリアしていく。

馬坂峠トンネル

突如現れる怪しい雰囲気たっぷりなトンネルがこの峠のピーク。
真っ暗なトンネルを抜け、根尾の村を目指して慎重にダウンヒル。

早く終わらんかな。
なんて思いながらも要所要所でシャッターを切る。
これまでにあまりなかったロケーションだからね。

長かった下り区間も終わりが見えてきた。
「落ちたら死ぬ!!」で有名な国道157号線に合流。
今日はそっちの危険な方向には行かず、根尾谷の淡墨桜の手前で進路変更。

地元の人しか通らないような道の先にあるのが今日ふたつ目の目的地。

鷲巣谷第一砂防ダム

離合不可の極狭路。
石ころをよけながら道路脇から伸びる草木にボディをこすらないように走らないといけないようなけもの道の先にある神殿のような砂防ダム。
ようやくたどり着いた…

石積みで作られた珍しい形のこの砂防ダムはマニアの中でもちょっぴり有名みたい。
赤茶色になった石と深い緑の美しいコントラスト。
その間を流れ落ちる川の水。
その辺の砂防ダムとは一味違う趣がある。

そしてこの砂防ダム、なんと裏に回り込むこともできる。

Photo by あゆみちゃん

流れ落ちる水を裏から覗き込む。
そんなことができるのはかなりレアだろう。
轟音を上げて流れる川の水は見た目以上に迫力があった。
近くで見るとなんか飲み込まれそうでちょっと怖かったなあ。

きめ細かにはじけ飛ぶ水しぶきを写真に収めるあゆみちゃん。
クルマ入りの写真もなかなかの自信作が撮れたみたい。

Photo by あゆみちゃん
Photo by ぼく

ぼくのやつよりも全然いいじゃん。。

機動力派カメラマンあゆみちゃん。
草葉の陰や水際からサンニーくんをいっぱい撃ち抜いてくれた。
前出の写真たちもあゆみちゃんのものがしれっと入ってたりするよ。

そんなこんなで砂防ダムも大いに満喫。
苦労して訪れた甲斐があった。すばらしい場所やった。来れてよかった!
もうサンニーくんで来ることは二度とないと思うけど。笑

ようやくダム見学

行きたいところは行き尽くした。
後はおうちを目指して帰るだけ。

根尾谷からおうちまでの最短ルートは来た道を帰るルート。
っていうか、それ以外の選択肢がない。
というわけでナビに従って来た道を引き返す。

一山越えて徳山湖に帰還。

帰路に就く前にダムを見て帰ろっか。
ドライブの締めくくりにようやくドデカいロックフィルダムとご対面。

でっっっっ!

展望台から見るダムはド迫力。
広角端でも収まり切らないそのデカさ。恐ろしや。
ちなみにダム堤頂の長さは427mで、新幹線「のぞみ」号を16両つなげた長さよりも長いそうな。
これまたあんまりピンとこんけど、すごいスケール感。

高さ161mの高さに積み上げられた大小さまざまな石。
近くで見るともう何がどうなっとるんかさっぱりわからん。

建設に使われたダンプカーのタイヤサイズも規格外。

これほどまでに巨大な構造物を間近で見たことはなかった。
土木技術ってすごい。

貴重な夏の思い出ができました。

ダム見学を終えたところで時刻は午後3時。
いい時間だ。おうちに帰ろう。
いろんなクルマやバイクのオフ会会場となっていた駐車場からそろそろと抜けだして帰路に就く。
国道417号線から国道303号線、国道8号線と乗り継いで福井県に帰還。

おうちに着く頃にはすっかり夜になろうとしていた。

サンニーくんとともに写真を撮るお出かけをするのはほんとのほんとに久しぶり。
見たことのない景色に期待を膨らませてワクワクしながらステアリングを握る。
こういうドライブがぼくのクルマの楽しみ方の原点なんだなあと改めて実感したような。
そんな1日やった。

春・秋と比べると撮ってきた写真の量がうんと少なかった夏。
外に出てみればこの季節にしか見ることのできない景色がいっぱいあるわけで、たまにはひいこら言いながら暑い日にサンニーくんを駆るのもいいなとも思えた。
幸い、エアコンはまだガンガンに効くしね。

自然を満喫できたあゆみちゃんにとってもいい1日になったかな(?)
連れ出したクルマがクロスビーじゃなかったこと以外はよかったみたい。笑
次はクロスビーでも遠出をしてみよう。

濡れたトンネルや険道を走り抜けたおかげで洗いたてのボディーが史上最高レベルに汚れちゃった。
特にフェンダー回りなんて見れたもんじゃない。
いい写真がいっぱい撮れた代償と思うしかないね。

次の連休の間にピカピカにしてあげよう。

こうして久しぶりの撮影ドライブは大成功に終わった。

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