8月18日(土) AM 3:50
あまりの寒さでアラームが鳴るよりも先に目が覚める。
厚めの服を着てお布団にくるまって寝たけどそれでも寒かった。
標高2000mの世界の朝は夏でもしっかり寒い💡
ここは……
そうや。サンニーの中や。
サンニー泊をはじめてやったときはほぼ一睡もできんかったという苦い思い出があるだけに今回もちょっと心配やったけど、寝つきはよかったみたい。
外に出ておおきく背伸びをする。
ん~きもちいい~~
いや、寒い。
あわててクルマの中に戻って暖をとる。
正直ここまで寒いとは思ってなかった。
サンニーにおいては使うことがないだろうと思っていた「暖房」をガンガンに。
車内で震えながら持っている服をすべて重ね着する。
これでいくらかはマシになるだろう。
こんだけ早く起きたのは……そう、雲海を見るため。
しばらくあったまって再度車外へ。
雲海は見られるかな~~??
み、見れた!!!
あれが雲海とやらかーーーっ!!
一面に広がる雲!雲!!雲!!!
雲海なんて見たこともなければ雲の上におるなんて経験もない。
目に入ってくる光景が非日常的すぎて言葉が出てこん。
心の中でひたすら「うわ~~~」って言っとった。
そのまま日の出を迎えた。
人生史上最高クラスに美しい夜明けやった。
すごいものを見れたなあ。
こんなにも美しい景色を愛車とともに収めないわけにはいかない。
さあ、走り出そう。
絶景ドライブの幕開けだっ!!
サンニーくん、今日もよろしくね。
まずは美ヶ原高原美術館からちょっとだけ移動したところにある小高い丘へ。
ここから雲海を見下ろすことができるんだ。クルマといっしょにね。
雲のすき間を覗き込んで自分が今いる場所の「高さ」にようやく気づく。
真っ暗な坂道を駆け上がってきたからよくわからんかったけど、こんなに高いところにおるんやな~ と。
2000m… 標高だけで言うと地元で一番高い山ふたつ分よりも高い。
海の近くで育ったぼくにとっては想像のつかない世界。
遠くに見える雲海の美しさ、景色の雄大さに息を吞む。
ずっと眺めていられる。きれいやな。
気温の低さにボディが曇るサンニーくん。
マット塗装みたいになっとる(^ω^ 😉
しっかり日も登ってきたところでぼくらのドライブもリアルスタート。
今日用意したルートはビーナスライン1本!
ビーナスライン … 長野県の茅野市街と美ヶ原高原をつなぐ、日本の代表的な観光山岳道路のひとつ。「ビーナスライン」の名は、沿道にある蓼科山の山容を女神に例えたことに由来するもので、蓼科有料道路と霧ヶ峰有料道路を併せてよぶ愛称として1968年に公募で決定し、無料開放後も継続して使用されている。(wikipediaより)
美ヶ原高原 – 霧ケ峰 – 蓼科高原 をつなぐ山岳ルート。
まだ見ぬ絶景との出会いを求めて、いざ。
まずは水温・油温を上げながら足回りの準備運動を。
ゆっくりといい感じのくねくね道を駆け降りること数分…
白樺平に到着。
はじめて見る白樺の木。ちょっとした異世界感。
思っとったよりも幹の色が黒かった。こんなものなんかな??
やわらかな日差しとつめたい空気が気持ちいい~~
なんてさわやかな朝なんだろう。
来た道を引き返して再度美ヶ原高原美術館の前を通る。
雲海をこの目にしっかりと焼き付けておかないと!
モコモコはちょっと少なめなんかな?
AM 6:00
サンニーのウォームアップが完了したところで回転数をちょっとずつ上げていく。
エンジンは今日も最高だ!いい音で鳴らしてもらうぞ~
ビーナスラインの急坂を一気に下っていく。
反対車線には朝早くから多くのバイクやスポーツカーたちが。
こんな時間でもけっこういるもんなんだな。
美しの塔や王ヶ頭などなど美ヶ原に来たら立ち寄るべきスポットはいっぱいある。
けど、この日は素通り。
サンニーと走る楽しさが勝ってしまった。
こんなに楽しい道を目の前にしてクルマから降りたくない。
ビーナスラインに来るチャンスはまた来るはず。
しっかり観光をするのはそのときにしよう。そうしよう。
九十九折れの下り坂をノンストップで駆け降りた。
気づいたら三峰大展望台らへん。いい見晴らし。
そのあともコーナーをひとつひとつ丁寧にクリアし、和田峠の料金所跡にもどってきた。
昨晩ビーナスラインに合流したポイントだ。
そのまま直進しビューーーーンと霧の駅までひとっ飛び!
時刻はまだ午前7時を過ぎたところ。
霧の駅は開いているはずもないのでスルー。
目の前に見える車山高原に向かおうとしたんやけど…
なんか脇道があったから突入!!
ススキで覆われた道の先に見える山。
え、あれ、富士山やん🗻
この辺の地理感覚があまり備わってなかったからこんなにくっきり見えることは知らんった。
ちょっと遠くからやけど、今年も見れた◎
シルエットが美しい…
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壮大な景色を目の当たりにして気持ちは満たされてもお腹は満たされないようで。
朝4時から動き回っとることもあって腹の虫が鳴き始めた。
このへんで朝ごはんにするか。
今日はコーヒーセットも持ってきてるんだ~
きれいな山を眺めながらお豆をゴリゴリするんだ~
はやる気持ちを抑えてミルを取り出したその時、ぼくは気づいた。
…ドリッパーが……ないな?
豆を挽いてもコーヒー淹れれんやん!ばかっ!
クルマを眺めながらコーヒーを淹れるやつ、楽しみにしてたのに…
長野入りする道中でパンも買ってきたのに…
完全にコーヒーのクチになってしまっとったのも相まってショックが大きい。
どっかでコーヒー飲ませてもらえるところないかな~
午前7時45分。ここは車山高原の手前あたり…らへん?
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あ、そうやっ💡
ころぼっくるひゅってがこのへんにあるやん!
ちょうどいいところにいた。
クルマを走らせること4-5分、到着。
開店待ち |
ころぼっくるひゅって
車山の肩、標高1820mにある小さな山小屋。
当初立ち寄る予定はなかったけど、ビーナスラインのことを調べとるときにめっちゃ目についたのはよく覚えとる。
めちゃめちゃ有名らしい。伝説の山小屋らしい。
カフェの営業期間:4月-11月。
営業時間:8:00 – 16:30 ✍
ゆるキャン△にも登場してたね。
しまりんが立ち寄ってたね。ボルシチ食ってたね。
思いがけずも聖地巡礼をすることになったのである。
しまりんが食べたボルシチをぼくも、といきたいところやけどあれはランチメニュー。
厚切りトーストとサイフォンコーヒーでモーニングをば。
Windows XPのアレみたい(伝われ) |
テラスで車山高原を眺めながら待つこと数分…
きたきた!
厚切りバタートースト(はちみつ)🍞とサイフォンコーヒー☕
ウッドデッキに腰掛け、お待ちかねの朝食タイム!
厚切りトーストを口いっぱいに頬張る。
サクサクのトーストとはちみつの絶妙なマッチ。うまーいっ
サイフォンに入れられたまま出てくるコーヒーもいい香り。
とってもおいしゅうございました。
高原にある山小屋という最高のロケーションでいただくこの上なくさわやかな朝食。
最高やったな。
いや~ドリッパー置いてきてよかった。笑
おなかも満たされたことやしドライブを再開しよう。
山小屋を出てサンニーの元へ戻る途中、目の前に広がる景色に思わず足が止まった。
車山肩より |
わぉ
かの有名な霧ヶ峰のS字カーブ。
みどりのなかを突き抜ける1本道。
こんなきれいな山道を走ってきたんか。
これから走る方向に目を向けると、この景色はしばらく続きそうな感じ。
楽しみだな。弾む気持ちでサンニーのキーを捻る。
おまたせ、行こっか!
次なる目的地は白樺湖・女神湖!
ところどころ展望台で止まりながらゆる~く流していく。
富士見台展望台。さっきよりも富士山がよく見える。
富士山だけじゃない。
八ヶ岳連峰や日本アルプスもはっきりくっきり見渡すことができた。
登山はそんなに好きじゃないけど、山を遠くから眺めるのはけっこう好き。笑
あ、でもヒルクライム(チャリンコ)は別だよ。
車山肩の駐車場を出て白樺湖に出るまでは予想どおりの絶景区間。
ビーナスラインの真骨頂を見られた気がした。
車山高原の展望リフト乗り場を通過すると見えてくるのが白樺湖。
このへんに来ると山道からリゾート地へと雰囲気が一変し、交通量もどっと増えた。
なるほどこれがいわゆる 避暑地 というところか。。
白樺湖・女神湖をぐるっと1周して蓼科第2牧場へ寄り道。
お馬さん放牧中。
サンニーさんも放牧。
車内温度はグングン上がってきたけど、外に出るといい感じに涼しい。
お馬さんとサンニーを眺めながら草むらで小休止。画になるねぇ。
よし、高原道路にもどろうか。
美ヶ原 – 霧ヶ峰区間は走破した。
ビーナスラインもいよいよクライマックスだ。
蓼科高原にトリを飾ってもらおう。
蓼科に向かう区間からはこれまでに走ってきた道のりを望むことができる。
ビーナスラインからちょっとだけ逸れたところにある夕陽の丘展望台。
遠くに見ゆる霧ヶ峰。
どのへんを走ってきたんかな~??
見事な眺望はまだまだ続く。
ビーナスラインに戻り、しばらく走るとまた展望台が現れた。
女の神展望台。
女の神山という別名を持つ蓼科山を望むことができることからこういう名前がついたそうな。
さっきからクルマがドアップの似たような構図が続いているのはどの展望台も多くの人でにぎわっていたから。
ほかのクルマも人も入らないようしようと思ったらぼくの腕ではこうすることしかできなかった。
ここからは八ヶ岳、中央アルプス、南アルプスとかが見える。
ギザギザな山々。
あらゆる方向に広がる山を見渡した後は蓼科湖を通り過ぎて茅野市内へ…
メルヘン街道から麦草峠を通って日本一の白樺群生地を見るつもりでもおったけどこの日はケツが決まっとって残された時間もあまりなく断念。(夜の同窓会までに帰らなくちゃ‼)
休みなく現れる絶景をひとつひとつ消化しとったらいい時間になっちゃった。
AM 10:36
ビーナスライン 走破
絶景に始まって絶景に終わった。
サンニーといっしょに、この非現実的な景色を、この目で見ることができのは何にも変えがたい貴重な経験だ。
写真では伝えきれない感動がそこにはありました。
ね、サンニーくん。いいもの見れたね!
さあ、残すは福井までの300㎞
だけじゃない。
スカイライン乗りとして、長野に来たら立ち寄るべきスポットが1つある。
言わなくてもわかるよね、、
プリンス&スカイラインミュウジアム
岡谷市は鳥居平やまびこ公園内にあるスカイラインの聖地。
ずっと来るタイミングを見計らってたんだ。
エントランスをくぐり階段を降りた先には…
歴代スカイラインが一堂に会する展示室!
初代スカイラインから数えること13代。
61年もの間同じ名前のクルマが途絶えることなく生き続けている。
歴代のモデルを眺めながらその歴史の深さを改めて実感する。
R32は8代目。
館内にサンニーを連れて入ることは当然不可能やからサンニー(ミニ)とともに
ぼくから見たらもうそろそろ旧車の域に入ってしまいそうなくらいの1台やけど、ご先祖スカイラインから見たらまだまだ若造だね。
なつかしのレースカーも何台か。
ニスモフェスティバルでも見れないようなレアなマシーンもいる。
眼福じゃ~~~
気づいたら小1時間ほど経ってた。
ちなみに、
ここに入るために正装(ハコスカT)に着替えたりもしてた。
PM 0:30
予定していた長野での行程をすべてこなしたのでいよいよ帰路につく。
これまでの走行距離:448.9km
サンニーくん、帰りもよろしくね。高速に乗る前に燃料入れてあげるからね。
岡谷インター近くのGSにピットイン。
(450km弱走っとるからリッター8kmやとしたら55-6Lも入るやろうnガチャン‼)
(ん?止まった。もういいの?まだ入るんじゃないnガチャン‼)
48.3L /
サンニーくん、ここまでで 9.29km/L というスコアを記録。意外と伸びたな。
高速を走ったとはいえ、ビーナスラインのアップダウンをこなしてきただけにちょっとだけビックリ。
もっとも、燃費を気にするようなクルマではないけれども。
そんなことはまあいい。っちゃっと福井に帰ろっさ!
眠気と戦いながら無事帰還。
20時間ばかりの弾丸ビーナスラインドライブ。
我ながらすごい行動力だ。笑
狙いどおり雲海を見ることができたうえにきれいな星空のおまけもついてきた。
そして絶景尽くしのビーナスライン。
走ることが楽しい道に終始ワクワクしてた。
そういえば1日のほぼすべての時間をサンニーの中で過ごしてたな。
だいすきなGT-Rといっしょにここに来れて本当によかった。
心残りがあるとすればGTRで走ってあげられなかったこと(ややこしい)
クルマで走って楽しい道は自転車で走っても楽しいに違いない。
ゆっくり時間が取れたら山岳ライドにも挑戦しよう。
白馬もいいな。あ、乗鞍に行くのもいいな。
1回行ったくらいじゃ長野県の魅力はほんの一握りしか、いや、一握りも感じられない。
日帰りならなおのこと。
だったら何回でも行こう!
平成最後の夏の終わりに雲海を見に行く弾丸ビーナスラインドライブ 完
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走行距離:750.7km
燃料消費:78.3L
平均燃費:9.59km
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