「私も新しいロードバイクが欲しい!!」
2018年の秋のことだった。
当時の彼女であり、のちにぼくの妻となったあゆみちゃんがいきなりそんなことを言い出した。
ぼくとほぼ時を同じくしてクロスバイクを手に入れ、自転車の世界に飛び込んだあゆみちゃん。
ぼくとほぼ時を同じくしてロードバイクを手に入れ、自転車の世界の奥深さを知ったあゆみちゃん。
それからというもの、Great Earth に出場したり、100km以上離れる実家に何度も自転車で帰ったり、京都から自走フルビワイチ(220km)をひとりでやってのけたり。
ぼくの知らないところでなかなか激しいことをしていたみたい。
1台目のロードバイクもまさかここまで酷使されるとは思ってなかっただろう。
いろいろくたびれてきたし、そろそろ新しい相棒を探してみよっか。
そうして2台目のロードバイク選びが始まった。
これまでの相棒
あゆみちゃんが最初に乗っていたロードバイクは SPECIALIZED RUBY(’13) 。
当時の ROUBAIX の女性版?的な立ち位置のエンデュランスバイク。
Zertzとかいう振動減衰パーツが搭載されいるのが特徴。
シンプルなカラーリングにピンクの差し色を加えてそれはそれはかわいがっていた。
けど、ある時、彼女は気づいた。
なんかこのフレーム、美しくなくない?
トップチューブから一直線に伸びるシートステイ。
「ちっちゃい子」専用のジオメトリーであることの証だ。
一度気になったらそこばかりに目が行くように…
いろいろくたびれてきたというもっともらしい理由の背後からかっこいい自転車に乗り換えたいという本音がちらちらと顔を出していた。気がする。
ちっちゃくてもかっこいいフレームがいい!!
ちなみにあゆみちゃんの身長は150cm(たぶんないけど)。
この身長に合うフレームサイズで形を破綻させずに700cのホイールをぶち込むのは容易ではない。
- 最小フレームサイズでも美しい形がキープされていること
- 乗りたい色がラインナップの中にあるもの
- できれば30万円以内で…
というのがニューマシーンに求めた条件。
シンプルでありながらもなかなか難しそう。
思ったとおりフレーム探しの旅はなかなか難航した。
サイズ展開があまり豊富じゃなかったり、そもそもレディースモデルがなかったり。
数あるロードバイクブランドの中でも「乗れそうな」フレームが見つかったのは少数。
いっそ650bにホイールサイズを落としてみては?とも思ったけど、汎用性を考えると、ねぇ?
紆余曲折を経て「乗りたいバイク」候補が絞られてきた。
① WILIER GTR (XXS)
白 × ピンクのさわやかさがはじけるカラーリング。
色のバランスがバツグンによかった。
XXSなら何とか乗れそうやし、実際に乗っとる人もおるし、何よりかわいいこれがいい!
あっさり候補が決まったかのように思えたけど、このモデルはすでにディスコン。
欲しければ中古市場から探し出してくるしかなかった。うーん、残念!
② ARGON 18 のなんか (XXS)
極端に短いヘッドチューブのおかげでXXSでもロードバイクとしての美しさのバランスを維持。
ジオメトリー的にも大丈夫そうやったけど、「好みではない」ため、あえなく却下。うーん、残念!
③ CHAPTER2 RERE (XS)
CHAPTER2 から投入された当時の最新エアロバイク。
あゆみちゃん自身が自転車を探す中で一目ぼれした1台。
絶対にこれがいいと勇み足で取扱店に見に行ったものの、最小サイズでもおっきかったため、却下。
うーーん、残念!!
そこの自転車屋さんのおねえさんがめちゃめちゃきれいやったのを今でも忘れない。
④ PINARELLO RAZHA (EZ-fit=425)
みんな大好きなピナレロ。
がちがちなレースバイクを作りながらもサイズ展開は随一。
身長150cm前後の人たちにも優しいブランドだった。
小柄な人専用に作られたEZ-fitというサイズなら十分に乗れる。
どこかのお店に置いてあった同サイズ別モデルのバイクに試乗させてもらってそれを確信した。
ちなみに最小サイズにしてもフレームシルエットはこんな感じ。いけるやん。
よし、決まり!私ピナレロに乗りたい!!
ヨーロピアンバイク推しのぼくとしてもうれしい決断だった。
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そんなこんなで選ばれたのは PINARELLO PRINCE(’19) でした。(え???)
サイズ、カラーリング、予算などなど…
いろいろ条件の中でぴったりやったのはイタリアンザフィーラブルーのPINARELLO RAZHA。
心はそれに決まりかけとったし、ぼくも大いに賛成やったはずやのに、
ピナレロならもひとつ上のグレードにこんなかわいい色の自転車があるよ
と冗談半分で提案。
そしたら予想外の食いつきを見せ、決断は土壇場で一転。
しまいには、これじゃなけんならん(≒これじゃないとヤダ!)と言い出し、当初の予算をはるかに上回るモデルチェンジしたばかりの最新マシーンをボーナス一括で購入する運びとなりました。
フラッグシップの系譜
PRINCEと言えば、名門ピナレロのフラッグシップDOGMAに次ぐセカンドグレード。
ロードレース界で名声をほしいままにしてきたあのDOGMAの血脈を受け継いでいる。
2019年モデルからPRINCEはモデルチェンジを果たした。
2015-2018年モデルにおいては世紀の名車DOGMA 65.1の金型をそっくりそのまま使用していたが、2019年モデルにおいては最新のテクニカルソリューションを用いてアップデート。
DOGMA F10の技術を受け継いだフレームデザインとなりエアロダイナミクスが飛躍的に向上した。
らしい。
ONDAフォークの先っちょから生えるフォークフラップ。
ConcaveダウンチューブとDi2ジャンクションを埋め込む機構。
アシンメトリックデザイン。
至る所にフラッグシップの 面影 が散りばめられている。
購入の決め手
ガチガチとまではいかなくてもまぎれもなくこれはレーシングバイクだ。
けど、そういうところにはあまり興味のないあゆみちゃん。
購入の決め手になったのはやっぱり「見た目」だった。
ひと昔前のちょっぴりオラついたカラーリングから一転、シンプルなカラーリングになったフレーム。
絶妙な塗り分け、そしてホワイト × オレンジの見事なバランス。
ここがグッときたポイントなんだそうな。
ぼくとしてもこの年のカラーリングがここ数年のピナレロの中でいちばんの当たり年やったんじゃないかなとかひそかに思っとる。
どんなところでも映えるホワイトカラー。ほんとにいいよね。
白馬の王子様とどこまでも…
納車されてから丸々2年が経過し、2台目の相棒ともいろんな思い出ができたみたい。
サイクリングデートに出かけたり、ロングライドのイベントに出てみたり。
特訓の甲斐あって若狭路センチュリーライドも難なく完走してたね。
学生時代にクロスバイクと出会ってからはや9年。
彼女も自転車の魅力にどっぷりハマり、今でも趣味として自転車を目いっぱい楽しんでる。
いろんなところへライドに行くはずだった2020年。
残念ながらそれが叶うことはなかったし、今後もどうなるかわからない。
しまなみ海道や富士イチ、能登半島などなど。
ふたりで行きたいところはまだまだいっぱい。
いつかまた何も気にすることなくいろんなところへ行ける日が来ることを心待ちにして今は体力作りに励むのみ💪
地元にも走りやすいところはいっぱいあるし、景色がきれいなところもいっぱいあるんだ。
同じ時間を楽しむためのツールのひとつとして自転車にまたがる時間をもっともっと増やしていく所存なんだそうな。
いいこと言うね!
妻はピナレロ、ぼくはウィリエール。
奇しくも由緒正しきイタリアンバイクのペアとなった。
狙ったわけではないよ。
おしゃれで速い。
そんな夫婦になれるといいね。
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