もう待ちきれない。
11月を待たずして今シーズンの紅葉ドライブが幕を開けた。
山が染まる景色を見たい。
2022年の紅葉ハント第1戦の舞台はぼくの願いを叶えてくれる最高の林道だった。
おまけでつけた山岳ルートも含めて夜明けから日没まで遊びつくした1日をプレイバック!
初づくし
10月26日(水) ☀
夜明けの北陸道をサンニーくんがかっ飛んでいく。
今回の行程はざっくりこんな感じ。
富山県の山奥にある有峰林道。
ここが今回のメインステージとなる。
有峰湖から伸びるいくつもの支線からなる有料道路。
長年の宿題になっていた絶景林道に乗り込むチャンスがついにやってきた。
ほんとならそこだけ行けばミッションクリアやったんやけど…
地図を見てみるといい感じに()奥飛騨とつながりそうだったのでサンニーくんとは行ったことのない場所にも足を伸ばしてみることに。
ついでに福井に戻るルートだからせせらぎ街道も盛り込んでおいた。
こうして富山-岐阜-長野をめぐる欲張り超級山岳コースが出来上がった。
ルートを引いた時点でちょっとやばいと思ってたけど、今見返してもやっぱりめちゃくちゃだ。笑
この日巡る場所はいずれも標高の高い場所。
道中あらゆるところで3000m級の山々を目にすることとなる。
ともなれば、ふつうの晴れでは物足りない。
ぼくが欲しいのは雲一つない快晴だ☀
ってなわけで、今回は最強の晴れ男である親父を召喚。
久々の親子ドライブ。
最高の1日にしよう。
入線
立山I.C.で北陸道から離脱。
遠くにそびえ立つ山のほうへと突き進んでいく。
悪城の壁に称名滝…
かの有名な景勝地を全部スルーして猪突猛進。(行っときゃよかった…)
グングンと標高を上げていき、念願の地の入口にたどり着いた。
連絡所で通行料(2,000円)を支払ってゲートオープン。
サンニーくんが有峰林道へ解き放たれた。
有峰林道
有峰林道は、雄大な薬師岳、有峰ダムを眼前に望む総延長約93キロの有料林道です。
森林浴や薬師岳登山、富山県・岐阜県間の連絡道路としてご利用いただけます。
(ありみネットより)
常願寺川水系のダムである有峰ダムによって形成された有峰湖。
その周囲に伸びる複数の林道たち。
10月下旬ともなるとそのほとんどの区間でいい色づきとなるそうで🍂
山全体を楽しむもよし、紅葉のトンネルを楽しむもよし。
大忙しとなること間違いなし。
今日1日ですべての線をクリアするなんてことはまず不可能だろう。
おいしいところを逃さずに行けるところだけ楽しめたらいいか。
小見線
そんな気持ちでまずは小見線へ。
まだ日が届かない山道を工事車両とともに駆け上がっていく。
ふもとではまだ青かった葉っぱが次第に赤くなっていく。
窓から見える秋の風景に感動しながら進んでいくと大きな人造湖にぶち当たった。
ここが有峰湖だ。
北アルプスの清流を集めたダム湖とその周りを覆い尽くす紅葉たちが美しすぎる…
気温は2-3℃。
ほんとなら凍えてしまうくらいの寒さやけど、そんなことはこの景色が忘れさせてくれた。
この場所を知ることができてほんとによかった。
まだ序盤のほんの一部をかじっただけやけど、もうすでに感動の嵐。
ここからはどんな景色が待っているのだろう。早く見てみたい!
ダム湖を通過して有峰ビジターセンターに到達。
この色づき、そして文句のつけようのない空模様。
さすがは晴れ男。父の力は偉大である。。
折立線
ビジターセンターを直進して舞台は「折立線」へ。
折立キャンプ場や薬師岳の登山口へと続くこの道を流していく。
影になっていたとこにも日の光が届き始める。
木々のすき間から射し込む逆光が大好き。
足元だけを見るともう晩秋だね。
普段見ている風景からは何歩先も季節が進んでいる。
それを感じることができる瞬間もまた、紅葉遠征の醍醐味。
白樺並木の中を貫く2車線道路をクリアしたところがこの道の終点。
視界が開けた先に見えたのは、…何山?
昨今の冷え込みでごつごつとした高い山は雪化粧をまとっていた。
紅葉と冠雪した山をいっしょに楽しめるなんてことは想定外(!!)
白樺の木は落葉始まり。
「ここは意外と早いんだね」なんて言ってたけど、足元を見て納得。
霜が降りてる。。
キャンプ場の駐車場から見える風景を存分に楽しんだ後は来た道を引き返す。
距離こそ長くはないけど、ふと立ち止まってしまうところが多くあった折立線。
なかなか楽しいところだった。
さぁ、次はダム湖の向こう側へ行くぞ。
小口川線
ここからは有峰ダムの天端を渡って西岸エリアへ。
ダムを渡ってすぐに分岐が現れる。
ダム湖沿いを進む「西岸線」と、山のほうへ分け入っていく「小口川線」
祐延ダムへと続く狭小な山道の前評判がすこぶるよかったので、まずは小口川線を攻めてみることに。
さっきまでの2車線道路から一気に様変わり。
センターラインのないクネクネ道をゆっくりと…
ちょっとその辺の待避所にクルマを置くだけでも画になっちゃう。
総延長約25kmのテクニカルセクション。
道中にきれいなところが点々としているのではなく、ずっとこんな感じ。
って言ってもこの日走ったのは1/2にも満たない距離やけど。笑
コーナーを抜けるたびに絶景が広がっているもんだからほんとに困る😂
歩いたほうが速いくらいのペースで祐延湖の展望台に到着。
年季の入った祐延ダムとそれによって形成された人造湖があるところ。
サンニーに夢中でダムの写真が1枚もないのが悔やまれる。。
その後の目的地とは反対方向に走っているので、今日はこのあたりで引き返すことにした。
同じ道を走っているにも関わらず、復路はまるで違う道を走っているかのような風景が広がる。
木々の間から見えるあの山は、…何山?薬師岳かな?
青空にくっきりと浮かび上がる雄大な雪山の風景が素晴らしい。
さらに進んでいくと展望パーキングを発見。
これは止まらざるを得ない。
来るときは前しか見てなかったから((なんだか広い場所があるな))くらいにしか思ってなかったけど、その背後にこんな絶景が広がっていたとは!
その場に居合わせた老夫婦とともに、瓜二つの親子がしばしの間立ち尽くす。
その後も往路では見つけられなかった「いい感じの場所」を見つけては止まって。
紅葉の美しい風景を窓越しにも楽しんで。
「小口川線」という場所を大満喫!
いったいどのくらいの時間が経ったのだろう。
長い時間をかけてようやく有峰ダムの近くまで降りてきた。
聞いてたとおりのすごいところだった。
時間がなくて行けなかった祐延湖より先にはどんな景色が広がっていたのだろう。
この時はお腹いっぱいだったからそんなことは思わなかったけど、また来ることがあればそこまで踏み込んでみよう。
そんな感じで小口川線をクリア。
この時点ですでに10時すぎ。
有峰林道に入線してからすでに3時間が経過しようとしていた(!!)
なんだこのスローペースは!
西岸線・東谷線
時計を見て愕然としながら「西岸線」に突入。
焦ったところでどうにもならないけど、ここからはペースを上げていこう。
サクッと岐阜まで連れてってやる!
ぼくがハンドルを握ってると、どうにも前に進まない。
ので、ドライバーチェンジ!笑
結局何度もストップをかけちゃったけど、広葉樹がキラキラ輝く道を丁寧にクリア!
道中、大多和峠に向かう「大多和線」との分岐もあったけど、断腸の思いでスルー。
というよりかは、もうほんとにお腹いっぱい。笑
この有峰林道だけで3年分くらい紅葉を楽しめている…
.
.
.
11時10分
東谷にある連絡所を通過して有峰林道を脱出。
ざっくりと考えてた時間よりもはるかに遅れてる。笑
けど、これはもう仕方ない。
こんなにもどでかいスケールの林道をササッと通り抜けちゃうなんてもったいなさすぎるんだ。
奥飛騨、上陸!
長い時間お世話になった有峰林道を背にして、次なる目的地を目指すことに。
「飛越高原天の夕顔の道」なんていうステキな名前のついた1本道を豪快にダウンヒル。
ハンドルを握るおやじ、ウキウキ。
この年代のクルマとともにしてきた世代はやはりMT車の扱いが上手い。
今となってはたまにしか乗らないのに、熟れている感じがプンプンする。
ちょっと腹が立つけど、サンニーくんもなんだかうれしそう。笑
ぼくはというとダウンヒルの途中でどうやら気絶してしまったみたいで、気づいた時には奥飛騨温泉郷の一歩手前にいた。
写真を撮らないとこうもペースが上がるものなんだね。。
国道471号の道の駅でひとやすみして、リスタート。
ようやく次の目的地が見えてきた。
北アルプス大橋。
笠ケ岳、鍚枝岳を望む奥飛騨エリア随一の絶景スポット。
あそこには一度でいいから行ってみたかった。
まさかこんなタイミングでお目にかかることになるとは夢にも思ってなかったけど。
国道から県道に乗り換えて高原川沿いの道を北東に進むこと数分。
焼岳のふもとを駆け上がった先に、開いた口がふさがらないような絶景が広がっていた。
すっっっげええええぇぇぇ!!
日の当たり、雲一つない青空、そして周囲を埋め尽くす紅葉。
北アルプス大橋は最高の条件をもってしてぼくたちを迎えてくれた。
やばい。すごい。
それしか言葉が出てこない。
北アルプスの雄大な風景をポールポジションからゲット。
紅葉のグラデーションも美しい。最盛期にはもっとすごくなるのかな。
振り返ると、こっちはこっちでまたすごい風景(!!)
この風景の中にいるサンニーくんの写真もゲット。
絶景の中に愛車がいる。こういう写真が好きすぎる。
.
.
.
パッと撮ってサッと通り抜けるくらいの場所だと思ってたけど、クルマから降りてどっぷり楽しんでしまった。
有峰林道からいい感じにつながったと言いながらも、実際のところは全然いい感じじゃない。笑
けど、思い切った大移動がなければこの景色にも出会うことがなかったことを考えるとやっぱり「こっち側」に降りてきたのは大正解だった◎
平湯温泉でまったりやりたい…
この日のハイライトは北アルプス大橋だったのかもしれない。
メインイベントであるはずの有峰林道がかすんでしまいそうだった。
この後は平湯に向かって南下していく。
いい感じのお昼時、このあたりでランチタイムにしよう。
この日の気分は…
やっぱり飛騨牛やろ~
だよね。
「飛騨」という字が目についたころから牛のクチだった。
ので、平湯のいい感じのお店を見つけて突入することに!
したわけやけど、狙ってたお店はどこもかしこも定休日!!
〈営業時間〉10:30 – 15:30
それでも、お肉を諦めきれなかったぼくたちは、平湯バスターミナルのレストランで手を打った。
飛騨牛(?)カルビ重で優勝🎊
ごちそうさまでしたっ!
ランチでお腹を満たした後は平湯の温泉でまったりしよう。
そのつもりでお風呂セットも持ってきたけど、この時間にもなると気温は思いの外グンと上がった。
とても温泉に入る気分じゃないね。。
もう1本峠をこなして、時間があってかつ気が向いたら平湯でひとっ風呂いただこう。
走りたい気持ちが勝った親子は、安房峠の旧道へと飛び込んでいった。
安房峠
岐阜県高山市と長野県松本市の間にある峠。
安房峠道路ができるまでは、上高地をはじめとした北アルプス山麓の観光地を支える大動脈として活躍していた。離合困難な規格の道に観光バスや大型車両が連なってたもんだから、行楽シーズンはめちゃくちゃ渋滞したそうな。ってか松本側の連続ヘアピンがやばすぎる…
平湯から少し登ったところから、酷道区間が始まる。
センターラインなんてものは当然ない。
このあたりで標高は1500m程度。
ここに関して言えば紅葉を狙ってきたわけではないけど、西日に照らされる晩秋の景色は美しい。
季節の移ろいを感じながら、グングン高度を上げていく。
そして県境に到達。
ここが今日の最高到達点(標高1790m)、チマ=コッピだ。
峠のピークからは穂高岳の姿が。
日本で3番目に標高が高い山。その雄大な姿に感動するなど。
この時間になってもお空の様子は絶好調☀
ナイスな紅葉の写真よりも、3000m級の山々をこんなにも絶好のコンディションで楽しめたことがこの日いちばんの収穫と言えるかも。
雪が残る峠で思う存分写真を撮り尽くして松本側へのダウンヒルに挑んだ。
意外と多い離合をこなしながら噂のスイッチバック区間に突入!
影になる時間が長い松本側はすでに冬の様相。
落葉はほぼ終わり、路肩には雪が積もっている。
あまりの薄暗さにライトオン。
クルマの通らない部分は落ち葉で埋め尽くされていた。
ザクザクと踏みしめて前進、前進。
厳冬期に備えているのか、毛を伸ばし丸々と太った猿の群れにも遭遇。
いやしかしデカい。
高度が下がってくると道路脇の彩りが戻ってくる。
ここまで来ればこの道の終わりはすぐそこ。
こうして過酷ながらも美しい安房峠の旧道の走破に成功した。
改めて、こんなにも険しい場所に道を通した先人たちのすごさは半端じゃない。。
.
.
.
なんだかんだで峠越えに1時間以上かかっちゃった。
安房峠道路を使った帰り道、平湯までの所要時間はわずか6分だった。
こんなところにトンネルを通しちゃったこともまたすごいことだな。
平湯の温泉街に戻ったころには午後4時すぎ。
これはもう風呂どころではない。笑
早く帰らねば。
帰路へ
高くそびえ立つ山々に日が沈んでいく。
どうやら奥飛騨エリアで遊びすぎちゃったみたいだ。
ここからおうちまでの距離と時間は…考えたくないな。笑
でっかい滝を見たり、
ひつじのショーンと戯れたりしながら現実逃避をしてたけど、いい加減におうちに帰らないと。
平湯トンネルを抜け、しっぽりと遊ばせてもらった奥飛騨エリアに別れを告げる。
ほんとにいい場所だったな…
その後は愚直に福井県を目指して西に進む。
当初の予定に盛り込んでおいたので、せせらぎ街道も漏らさずに。笑
明るいうちに西ウレ峠に着くはずだったのに、割と入口の地点で日没サスペンデッド。
暗い中やけど見えた感じは色づき始め。
今年の再戦、ありやなしや。
まさかまさかのナイトセッション。
こうなってしまうのは毎度のことだね。
でも、今日はいつも以上に絶景の攻勢が激しかったからほんとに仕方がない。
そのおかげでいい思い出がたくさん撮れたのだからよしとしよう。
おやじにもよしとしてもらおう。
道の駅 パスカル清見で最後のドライバーチェンジ。
この日のラストスティントはおやじが担当。
夜の高速道路をひらひらと突き進んでいく。
ほんまにいいクルマやなぁ
ワインディングで見せる機敏な動き、高速道路での快適なクルージング。
どんな道を走っていても楽しさがこみあげてくるのがスカイラインというクルマのいいところ。
そう思っちゃうのはおやじも同じみたいで。
この日はだいぶ長い距離を任せたにもかかわらず、最後はハンドルを譲ってくれなかった。笑
満天の星空の中を駆け抜けてようやく帰還。
2人と1台で遊びつくした長い1日がようやく終わった。
久々の親子でのロングドライブ。
おやじには((こいつは普段こんなことをしているのか))と思われたかもしれないけど、楽しんでもらえたようでなにより。
昔はバカみたいにいろんなところを駆けずり回っていたみたいなので、やっぱり血は争えないな、と。笑
実家を出て数年。
ちょっとは大人になったところを見せられるかな、なんて思ってたけどまったくダメだったね。
まだしばらくはいろいろ甘えさせてもらおう。笑
今回の走行距離は655km
ハチャメチャな大冒険をノントラブルで終えることができた。
サンニーくん、今日もありがとう。
2022年の紅葉ドライブは最高の形でスタートした。
2022紅葉ドライブ①(有峰林道・奥飛騨) 完
コメント