長引く雪。
絶え間なく道路にまかれる塩カル。
「これぞ北陸」といったお天気の中、寒さに震えた2月を終えた。
3月に入り気温も上昇。
春らしい日が続き、長かった冬の終わりを告げるときがついに…!
長い間お休みにしてたクルマも自転車もようやくシーズンインの時が来た。
この時を待っていたんだ。
いや、でも、果たしてぼくはちゃんと自転車に乗れるのだろうか。
なまり切った体をたたき起こすためにもロングライドをやってみよう。
春晴れに恵まれた3月の中頃、ぼくは「サイクリストの聖地」で足慣らしをすることに。
代休ライド
3月11日(金) ☀
皆さん今日は仕事デース?ぼくは休みデース!
慌ただしくなる前の街中を抜け、目指すは琵琶湖。
近場で手っ取り早く距離を稼げる平坦ステージが今日の舞台。
クルマを南へ走らせること数十km、道の駅「湖北みずどりステーション」に到着。
ここを発着地とする。
クルマからチャリンコを降ろし、サクッと組み立て。
今日の相棒もBMC ALR01。
セカンドマシーンでは初めてのビワイチ。
どんな走りをしてくれるのだろうか。
久々となる実走に若干の不安を覚えながらも、さわやかな青空のもと走り出せることにワクワク。
ボトルにドリンクを注いでいざ、出発!!
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ペダルに脚をかけ、Garmin Edgeバッテリー残量はまさかの29%…
なんでやの(笑)
昨晩指差し呼称でフル充電、ヨシ! をばっちりしたはずなのに!
ディスプレイがつきっぱなしだったのか、はたまたちゃんと充電できていなかったのか。
原因はようわからんけど、
((きっと何かの見間違いだ。))
そう言い聞かせ、ぼくは出発地点をあとにした。
いよいよ始まるぼくのビワイチ
今日の行程は琵琶湖大橋でショートカットする150km弱のコース。
琵琶湖大橋以北しか走らないからキタイチなんて呼んだりするけど、ぼくのなかでのビワイチはこのコース。
琵琶湖大橋よりも南のエリアは湖東も湖西も交通量や信号が多くて走りづらいしね。
まずは琵琶湖の北端を目指していく。
ちなみに今日このあたりを発着地に選んだのは、フレッシュな脚で湖北エリアを片付けたかったから。
長浜の湖岸から賤ケ岳にかけてのド平坦区間。あそこはなんかちょっと嫌なんだよね。
もう一つの理由は福井県から比較的近いところだから。
守山まで行ってたら時間もガソリンももったいないもんね。笑
左に目をやると、穏やかで雄大なマザーレイクの姿が。
うつくしい。
今日は大半の時間をこの日本一の湖を眺めながら進むことになる。
場所や時間によって変わりゆく表情を楽しみながら走っていこう。
今日のライドのテーマは2つ。
1つは景色を楽しみながら「いい写真」のたくさん残すこと。
過去にビワイチは何回もしとるけど、いずれの時もグループライド。
どの区間を走っていても千切り合いが始まっちゃうから琵琶湖の景色を楽しんだことなんてほぼ皆無。
せっかくミラーレスも担いできたことやから時間の許す限り琵琶湖を満喫するゾ。
そしてもう1つは無理しないこと。笑
序盤から調子に乗らない。
仮に終盤まで足が残っていたとしてもかっ飛ばない。
冬場の走り込みが圧倒的に足りてないぼくにとって今日のライドはまさしく「リハビリ」なのである。
にしてはショック療法のような距離やけど、無事に走れるペース配分を心がけよう。
まだ風はひんやりと冷たい。けど、風向きは上々〇
南風に乗って一気に賤ケ岳を目指す。
思っていたよりもあっさり到着。
賤ケ岳トンネルを迂回するための旧道を進んでいくと、琵琶湖随一の展望スポットのお出まし。
どこまでも続いているかのような湖面、春霞に浮かぶ竹生島、そしてぼくのALR。
今日もキミはかっこいいな。
たまたま鉢合わせたおじさんローディーの隣でニヤニヤしながらシャッターを切りまくる。
この先はどんな景色が待ち受けているのだろうか。
残雪の湖北
賤ケ岳の旧道を駆け下り、湖岸をなぞりながら琵琶湖の最北端を通過。
道の駅「あぢかまの里」をパスして湖西エリアへと続く道へ。
このあたりはビワイチの中でも唯一といってもいいくらいのクライム区間。
とは言っても短い坂道をクイッと登るだけ。
冷静に、そしてマイペースで坂道をやっつけて海津大崎を目指す。
この冬、たくさんの雪が降った滋賀県。
ここ湖北エリアにもその爪痕が残っていた。
高くそびえ立つ雪の壁。道路脇に追いやられた大きな雪の塊。
道の様子は気づかぬうちにスタート地点とはガラッと変わっていた。
ふつうに雪国じゃん。
あたり一面に広がる田園風景はいまだ雪の中。
北陸民にとってもそうやけど、冬って短いようでほんとに長いよね。
なんて思いながら進んでいるうちに海津大崎に突入。
キラキラと光る湖面に目を細めながら桜並木をくぐり抜ける。
湖北から湖西にかけては坦々と漕ぎ続けて距離を稼ごう。
なんて思ってたけど、きれいな景色はやっぱりそうさせてはくれない。
透き通った湖面に残雪の山々。
春先までしか見られないこの景色、すごくいい。
まだ車通りの少ない琵琶湖のてっぺんあたりでさわやかな空気を目いっぱい吸い込む。
日本有数の桜並木はまだ小さなつぼみをつけ始めた頃。
今年はどんな桜を見せてくれるのだろうか。今から楽しみで仕方がない。
海津大崎を抜けた勢いそのままに湖西エリアへ突入!
いつもは素通りしてたマキノサニービーチにも寄り道。
遠くまではっきりくっきり!
ってわけではないけど、空と海との境目が見えないくらいの霞みもまた一興。
あ、ここは湖やった。
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ここまでの道のりの順調具合に忘れかけていたけど、サイコンのバッテリーは着実に減り続けていた。
((確実にゴールまでもたないじゃん。。))
途中で力尽きたところでログが残らなくなるくらいやし、今日に関して言えば保険としてスマホでもstravaは立ち上げてるから問題ないっちゃ問題ない。
いや、でも…
というわけでここでバッテリーセーブモードに移行。
必要な時以外はディスプレイオフ。
湖西エリアの突入と同時に、バッテリーライフとの競争も始まることに。
修行区間、湖西
今津の街中を抜け、湖岸道路に突入。
風の影響もさほど受けず、30km/hで流していく。
よく言えば信号のない快走区間、悪く言えば同じ風景がダラダラと続く区間。
着実に歩を進めるため、変わり映えしない平坦路を黙々と漕ぎ進めていく。
((ところで、今どのくらいの距離を走ったのだろう))
写真ストップ以外はここまで無補給で来ていた。
そろそろどこかで休憩したいな?
とはいえ、湖岸道路にはいい感じに立ち寄れる場所はあまりない。
なんだかんだで白髭神社まで走ったところで最初のピットストップ。
スタートからおよそ60km。
我ながらよく引っ張ったものだ。
おにぎり2つばかりを頬張って休憩もほどほどにリスタート!
バックポケットに入れる補給食を買い忘れたけど大丈夫かな??
まあたぶん大丈夫だろう。(なお、)
この先も続いていく湖西エリアをサクッと片付けるべく琵琶湖大橋へ急いだ。
湖西線の高架下を何回もくぐったり、ようやく見えてきた「市街地」を颯爽と駆け抜けたりしていると、ようやく琵琶湖大橋が見えてきた!
琵琶湖にかかるでっかい橋の頂。
そこからの眺望も余すことなく満喫。
いやもう海やん。
改めて、琵琶湖ってデカいんだね。
そのスケール感に驚きつつ、メロディーロードの上でいろんなクルマが奏でる『琵琶湖周航の歌』を聞きながら守山の街に飛び込んだ。
「サイクリストの聖地」へ
琵琶湖の東っ側に到達してすぐのコンビニで2回目のピットストップ。
おにぎり2つで持つはずもなく🍙🍙
第2スティントは25kmで終えることに。
距離的にはちょうどこのあたりが折り返しのようだ。
今は走ってきたくらいの距離をもう1回走ればゴール。
短いような長いような…
今いる守山市はビワイチで通過する「まち」の中では最もサイクリストフレンドリーなところ。
道はきれいやし、立ち寄る場所も多いし。
かの有名な(?)「サイクリストの聖地碑」があるのもこのあたり。
この先に待ち受けるフォトスポットのために一眼を担いできたと言っても過言ではない。
フォトジェニックなあの場所へ、いざ。
その前に第1なぎさ公園の菜の花はどうなっているだろう。
冠雪した比良山系をバックに咲き誇る一面の菜の花畑は…
刈られてましたーーーー!!!
よくよく調べてみると見頃は2月上旬頃までのようでした。。残念!
気を撮り直してお次は第2なぎさ公園へ。
サイクリストの聖地碑へ行ってみると…
おじさんたちが何やら楽しそうな様子で松の木の剪定をしておりましたーーー!!!
そうです。こんな平日にビワイチなんてしているぼくが悪いのです。が、残念!
プチがっかりが続いちゃったけど、守山のフォトスポットはまだある。
BIWAKOのモニュメントもそのひとつ。
こんなのいつできたんだ。
約2年もの間、ビワイチから遠ざかっている間にガラッと変貌を遂げていた。
でも、こういう場所があるから単調な平坦もがんばって漕ぎ進めることができるんだ。
「サイクリストの聖地」
琵琶湖の周りもその名に恥じないチャリンコ環境になりつつあることを感じ取れた。
修行区間、湖東
ひとしきり撮影タイムを楽しんだ後は湖岸道路を北上。
南東から吹く風は時折強い横風になって殴りかかってくるけど、向かい風ではない。
湖東を走る条件としては悪くない。一気に突き進んでいこう!
おしゃれなカフェでひとやすみ。
なんて思ってたけど、どうやらそんな時間はなさそう。
大して速くもないのに余裕をこきすぎちゃった。笑
このあたりで今日という日はコンビニで食いつないでいくストイックスタイルになることが確定した。
ぼんやりと走っている間に近江八幡市内に到達。
この調子で一気に彦根まで…!
行きたいところやったけど、行けなかった。
ぼくが最も苦手とする大中町の田んぼを貫くストレート。
このあたりはいつどちら側から走っても意地悪な風が吹く。
この日も例に漏れず猛烈な向かい風がぼくを襲う。
((あかんっ))
たまらず歩道にエスケープ。
20kmそこそこのスピードでよろつきながらタラタラ進む。
花粉のせいか、風に心をポッキリと折られたせいか、アイウェアの中では涙がちょちょ切れそうに。
つらいです。。
やっとの思いで彦根市に到達。
霞んだ視界に飛び込んできたコンビニで、翼を授かることにした。
残りの距離は40km程度。
これが最後のピットストップになるかもしれないな。
なんだかんだで湖西以上に単調だった苦しい区間をクリア。
これまで稼いできたマージンは大中でだいぶ削られちゃったけど、日没までには十分間に合いそうだ。
ここからはまた撮影を楽しみながら進んでいこう。
楽しい楽しいフォトライド
残る町は彦根・米原・長浜。
土地勘のあるところまで戻ってきた。
サンニーくんとともに駆け抜けた場所も多くある区間。
ALRとも「いい1枚」を残していこう〇
ほどなくして現れる「あのベンチ」
この場所はマストだろう。
クルマ、オートバイ。
乗り物は違えど、たくさんの「同業者」たちと変わりばんこでパシャパシャ📷
ん~、ナイスショットです。
交通量の多い彦根市内を丁寧にパスし、米原市内にイン。
通り過ぎていくクルマからはかすかに杉崎真宏の声が聞こえた。
Happy Hour Party…もうそんな時間なのか…
スタートからもう7時間が経過していた。
どっぷり1日サドルの上で過ごすのはいつぶりだろうか。
順調に米原もパスし、いよいよ長浜市内へ。
ゴールが見えてきたぞ。
あのベンチからノンストップで走ること約20km
長浜港に到着。
お日さまはもうすでに低いところまで落ちてきていた。
とはいえ、ずいぶんと日が長くなったものだ。
分厚い雲の下で耐え忍んでいるうちに季節はしっかりと進んでいた。
夕日に照らされてキラキラと輝く湖面はなんともエモーショナル。
梨地のフレームにキラッと光るポリッシュのロゴマーク。
ALRも琵琶湖に負けないくらいうつくしい。
もうなんかゴールしちゃったような気分になったけど、今日の終着地点まではあとひと踏ん張り。
ラスト12km、張り切っていこう!
長浜城に見送られ、湖岸道路を北上。
((脚に力が入るぞ!!))
ここにきてようやくエナジードリンクとどら焼きがエネルギーに変わってきたのか。
序盤の勢いを取り戻し、高速巡航モード。
に入ったかと思いきや急停車。笑
こんなにもきれいな伊吹山の御姿を拝まないわけにはいかない。
(しれっと)チャリンコも入れて1枚📷
あとはほんとに道の駅を目指すぞ。
カメラストラップを締め直してラストスパート。
完走のごほうび
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道の駅の看板が見えてきた。
初めてのソロビワイチはトラブルなく終えることができそうだ。
やり切った…
今日一日のことを思い起こしながらウイニングラン。
午後4時35分、道の駅の入口をゆっくりとまたいだ。
およそ150km
そのほとんどは心を無にして走り続ける他ない修行のような区間やったけど、ところどころで見せてくれる景色はとってもきれいだった。
ライドのごほうびは道の駅グルメで。
と思っていたけど、レストランは午後4時30分で終了。
滑り込みアウト。。。
えぇ、こんな時間までかかっちゃったぼくが悪いんですとも。
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気を取り直して、着替えを済ませて今日のライドの総仕上げ。
こんな時間までいたからこそ見ることのできる景色もあるのです。
日本の夕日百選にも選ばれている琵琶湖畔の夕日。
静かで穏やかなを眺めながら比良山系に沈んでいく神秘的な絶景を楽しませていただくことに。
いかつい三脚おじさんたちの隣でローアングルから自転車を打ち抜くなど。
お天気にも恵まれたこのすばらしい1日を最高の形で終えることができた。
この景色こそが今日のライドのごほうびだろう。ありがとう、ありがとう。
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長い間ともにした琵琶湖を背に、ぼくは帰路に就いた。
久々のロングライドを無事終えることができてよかった。
実走自体が久しぶりすぎて風を切る感じはもちろん、ロードノイズですら心地よかった。笑
やっぱりお外はいいね。
ALRくん、今回もよくがんばりました。
カッチリとしていながらもラグジュアリーな乗り味。
BORA WTOとの相性もいいみたいで快適に進んでいくことができた◎
ガーミンくんもよくがんばったぞ。
バッテリー29%という残量で琵琶湖1周。
高い精度でログをしっかりと残してくれてた。
ほとんどの時間バックグラウンドで動いてたけど。笑
これから迎えるサイクルシーズン。
今年は去年よりも真面目に走ろう。。
春のビワイチ 完
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